第一次オイルショック
読み方: | だいいちじおいるしょっく |
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英語: | 1973 Oil Crisis(Shock) |
分類: | 石油危機 |
第一次オイルショックは、「第1次石油危機」とも呼ばれ、1973年の第四次中東戦争に端を発する石油の供給危機をいいます。
1970年代に2度発生したオイルショック(石油危機)の第1回目で、当時、原油の供給逼迫と原油価格の高騰により、世界経済の大混乱を引き起こしました。
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第一次オイルショックの概要
第一次オイルショックは、1973年10月6日にエジプトとシリアが領土奪還を目的としてイスラエルを攻撃し、「第四次中東戦争」が勃発したのを受けて発生しました。
10月16日に石油輸出国機構(OPEC)に加盟のペルシア湾岸産油6カ国が原油公示価格を大幅に引き上げ、10月17日にアラブ石油輸出国機構(OAPEC)が原油生産の段階的削減を決定し、さらにイスラエルが占領地から撤退するまで、イスラエル支持国への経済制裁(石油禁輸)を相次いで決定しました。
これにより、世界的な原油の供給不足と価格急騰、およびそれに伴う深刻な経済混乱が引き起こされました(1960年代のバレル当たり2ドル、直前価格の3ドルから12ドルへ急騰。政治的にはアラブ側が勝利)。
第一次オイルショックの影響
当時、エネルギーを中東の石油に依存してきた先進工業国は、この石油価格の急騰により、インフレや貿易収支悪化といった深刻な経済的ダメージを受けて不況に陥りました。
その中で、日本も例外ではなく、1974年に-1.2%と戦後初めてマイナス成長を経験し、戦後続いていた高度経済成長が終焉を迎えました。また、トイレットペーパーや洗剤など石油関連製品の買占めなどにより、「狂乱物価」という社会現象が起き、スーパーの店先などで商品を奪い合うパニックが発生することもありました。