地金型金貨

読み方: じがねがたきんか
分類: 金貨

地金型金貨は、「投資用金貨」とも呼ばれ、世界のいくつかの政府が発行している法定通貨で、発行元の政府が重量と品位を保証している金貨をいいます。また、法定通貨とは、金銭債務の強制的な弁済手段として、利用面で強制力が法的に認められている通貨をいいます。

ここでは、金(Gold)の現物投資の一つである「地金型金貨」について、簡単にまとめてみました。

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地金型金貨の金の純度

地金型金貨には、「24K(24金)」と「22K(22金)」の二種類があります。24Kは、全体の24分の24(純度99.99%)が金で、純金となっているのに対して、22Kは、全体の24分の22(純度91.67%)が金で、その他に銀や銅が約8%含まれています。

一般に24Kの金貨は純金のため、金本来の輝きと質感がある一方で、金の金属の性質として「柔らかいため傷がつきやすい」という弱点があるのに対して、22Kの金貨は傷がつきづらいように、銀や銅を混ぜて硬度を高めています。

なお、金の含有量については、24Kと22Kの金貨とも同じで、22Kの方が銀や銅が含まれている分だけ重くなっています。

地金型金貨の代表的なもの

現在、24Kの地金型金貨の代表的なものとしては、「ウィーン金貨ハーモニー(オーストリア)」や「メイプルリーフ金貨(カナダ)」、「カンガルー金貨(オーストラリア)」、「バッファロー金貨(米国)」、「パンダ金貨(中国)」などがあります。

また、22Kの地金型金貨の代表的なものとしては、「イーグル金貨(米国)」や「ブリタニア金貨(英国)」などがあります。

地金型金貨

地金型金貨と収集型金貨

金貨には、「地金型金貨」とは区別される「収集型金貨」と呼ばれるものもあり、具体的には、記念金貨や古金貨などを指します。

通常、収集型金貨は、金貨としての価値だけでなく、希少価値やデザイン的価値もあるため、収集家(コレクター)の人気度合いによって価格が変動し、同じ金の含有量のものでも、地金型金貨より高額で取引されています。

地金型金貨の購入と売却

地金型金貨は、大手地金商や金属精錬会社の販売店などにおいて、日々の金相場に連動した市場価格で売買することができます。

通常、地金型金貨の価格は、ゴールドバー(金地金)と同じように「店頭小売価格」と「店頭買取価格」の二本建てとなっており、同じ量の金地金より割高になっています。

その理由は、金貨の鋳造や流通などのコストが「プレミアム」として上乗せされているためですが、一方で売買面では、金地金のような手数料(バーチャージ)が掛からず、その分はプレミアムで相殺できる計算になります。

一般に小口の金投資に限れば、地金型金貨の方が金地金より投資コストが抑えられることから、重量が重い金貨ほど1枚当たりの価格に占める鋳造コストの割合が小さくなり、これより最も投資効率が高いのは「1トロイオンス金貨」と言えます。

なお、売却する際には、傷がついていたり、変形していたりすると、通常より安い価格(地金再生買取価格)が適用されてしまうので、保管面には注意が必要です。

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