不良債権

読み方: ふりょうさいけん
分類: 債権・債務

不良債権は、広義では、商取引や投融資などにおいて、回収が非常に困難な債権のことをいいます。これは、狭義では、銀行等の金融機関において、約定どおりの元本の返済や利息の支払いが受けられなくなるなど、その経済価値が毀損した貸出債権を指します。

ここでは、金融機関の経営に大きな影響を与える「不良債権」について、簡単にまとめてみました。

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不良債権の概要

不良債権は、銀行等の金融機関においては、経営が破綻している先、業績不振などで経営が実質的に破綻している先、あるいは破綻する危険がある先に対する「回収が非常に困難な債権」のことをいいます。この中には、元本や利息の支払いが3か月以上滞っている貸出金や当初の条件どおりに返済できず、金利の減免や元本の返済が猶予されている貸出金なども含まれます。

不良債権の影響と処理

銀行等の金融機関は、顧客に返済してもらうことを前提に貸し出し(融資)を行なっていますが、一方で顧客(融資先)が破綻等で返済できないと、その融資額(全部または一部)が損失になると共に、融資の利鞘面(運用収益-調達コスト)にも影響が出て、金融機関の収益に大きな影響を及ぼすことになります。

一般に不良債権の処理には、貸倒引当金を積む「間接償却」と、債権を帳簿から消し去る「最終処理」の二つがあり、通常、金融機関は「間接償却」を行うことが多いです。

バブル崩壊後の不良債権問題と対応

1990年代前半の日本バブル崩壊(不動産を中心としたバブル景気の破綻)では、多くの金融機関が膨大な不良債権を抱え込み、2000年代まで不良債権の処理が続き、日本経済に深刻なダメージを及ぼし、デフレに陥りました。当時、金融機関の多くは、間接償却に力を入れましたが、地価下落による担保価値の低下や、融資先の破綻で不良債権を処理しても次々に発生するイタチごっこに陥っていました。

そういった中、2002年10月に小泉政権が総合デフレ対策の一環として「金融再生プログラム」を策定し、不良債権を2005年3月末までに半減させる目標を掲げました。具体的には、必要に応じて公的資金を注入しながら、(1)融資先を会社更生法などで法的に整理して不良債権を直接償却する、(2)融資先の債務を棒引きする、(3)不良債権を産業再生機構や整理回収機構など第三者へ売却する、といった手法による最終処理を促しました。

不良債権の開示

銀行等の金融機関は、銀行法および金融再生法に基づき、金融機関の保有する不良債権等を開示することが義務づけられています。また、これらの開示は、金融機関が定期的に実施している資産の自己査定の結果を基に行われます。

自己査定における債務者区分

自己査定とは、各金融機関が、債務者をその財務状況や資金繰り、収益力等により、返済能力に応じて区分した上で、自ら保有する資産を「回収の危険性」または「価値の毀損」の危険性の度合いに応じて分類することをいいます。現在、金融機関では、下記の区分の内、要管理先以下に相当する債権の残高を不良債権として公表しています。

・正常先
・要注意先(要管理先以外の要注意先)
・要注意先(要管理先)
・破綻懸念先
・実質破綻先
・破綻先

銀行法に基づくリスク管理債権

銀行法に基づくリスク管理債権とは、貸出金のみが不良債権の対象で、下記の4区分となっています。

・貸出条件緩和債権(要注意先の一部)
・3カ月以上延滞債権(要注意先の一部)
延滞債権
・破綻先債権

金融再生法に基づく開示債権

金融再生法に基づく開示債権とは、貸出金と貸付有価証券などのその他の債権が対象で、下記のうち、正常債権を除いたものが不良債権の開示対象となります。

・正常債権
・要管理債権
・危険債権
・破産更生債権及びこれらに準ずる債権