家族信託

読み方: かぞくしんたく
分類: 信託|分類

家族信託は、民事信託の一つで、家族の財産管理や承継に信託の仕組みを利用するものをいいます。これは、2007年に施行された改正信託法(新信託法)により可能となったもので、具体的には、新信託法において、遺言代用の信託に関する規定や後継ぎ遺贈型の受益者連続に関する規定などが整備されたことによって、個々の家族の事情に合わせて、生存配偶者や子女の生活保障、個人事業の承継などを実現するための手段として一つの有用な選択肢となりました。

一般に家族信託の主なメリットとして、受益者のために、委託者受託者との間で自由に信託内容を決められることや、生前から死後まで効果があることなどが挙げられます。また、実際の利用にあたっては、信託銀行が商品として用意しているもの以外に、弁護士や司法書士などを信託監督人として公証役場で信託契約を認証するといった方法も可能となっています。

●遺言代用の信託に関する規定

例えば、委託者が受託者に財産を信託して、委託者自身を自己生存中の受益者とし、自己の子や配偶者などを死亡後受益者(委託者の死亡を始期として受益権または信託利益の給付を受ける権利を取得する受益者)とすることによって、自己の死亡後における財産分配を信託によって達成しようとするものです。なお、本規定では、委託者が死亡後受益者を変更する権利を有することや、死亡後受益者は委託者が死亡するまでは受益者としての権利を有しないことなどとされています。

●後継ぎ遺贈型の受益者連続に関する規定

例えば、夫が生前は自らを受益者として、夫の死後は妻を、妻の死後は長男(長女)を連続して受益者とする旨を信託によって達成しようとするものです。なお、新信託法では、遺留分制度に服することを前提として、期間的な制約を課した上で、このような信託が有効であることを明確にしています。