コベナンツ

英語: Covenants
分類: 契約

コベナンツは、本来の英語(covenant)では、契約や盟約、誓約、合意、捺印証書、条項、特約といった意味があります。これは、金融機関(資金供給者)においては、融資や社債などの取り組み(組成)にあたり、契約内容に記載する一定の特約条項(義務・制限等)のことをいいます。

一般にコベナンツは、組成した融資(シンジケートローン、ノンリコースローン、LBOローン等)や社債などで資金供給者側に不利益が生じた場合に、契約解除や条件変更ができるようにするため、契約条項に盛り込まれるものとなっています。

目次:コンテンツ構成

コベナンツの具体例

例えば、銀行のシンジケートローンでは、原則、銀行取引約定書の適用対象外であり、また無担保・無保証の契約もあることから、参加金融機関として融資先(資金調達先)の業況や財務内容を確認(モニタリング)することが必要になり、「コベナンツ」が契約書内に記載されます。

通常、コベナンツの主要なものとして、報告・情報提供義務条項や担保制限条項(ネガティブ・プレッジ条項)、資産譲渡制限条項(アセット・ディスポーザル条項)、財務制限条項、格付維持条項、事業維持条項、財政維持条項などがあります。

コベナンツの各種活用

コベナンツは、大型の資金調達だけでなく、不動産担保や第三者保証に依存しない通常の融資でも活用されることがあり、これについては「コベナンツ条項付融資」などと呼ばれます。

現在、日本では、コベナンツ条項付融資は、まだ一部の金融機関でしか取り扱われていませんが、その仕組みは、借入を希望する企業が担保や保証を提供する代わりに一定の財務比率等について金融機関にその遵守を約束し、一方で金融機関はそれを前提に融資を実行し、もし企業がその約束に違反した場合は融資を回収するのが原則となっています。

また、コベナンツは、融資の他に、M&Aにおいても活用されており、具体的には、契約締結日からクロージング日の間、およびクロージング日以降に、各当事者が行うべき行為や逆にしてはならない禁止事項を規定する条項として、契約書内に記載されています。

iFinancial TV