融資
読み方: | ゆうし |
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英語: | Loan、Financing |
分類: | 融資 |
融資は、資金を融通して貸し出すことをいいます。これは、資金を必要とする法人や個人などに対して、将来における返済の約束のもとに資金を供与し、利用可能にする行為を指します。
言い換えれば、信用を供与する行為(与信行為)であることから、日常的には、資金の貸し手側が使うことが多く、一方で資金の借り手側にとっては、「借入」や「ローン」といった用語の方が馴染み深いです。
ここでは、身近な金融用語の一つである「融資」について、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
融資の概要
銀行・信金・信組・労金等の金融機関や消費者金融会社などは、利鞘(収益)を得る目的で、法人や個人に対して、日々、多様な融資を行っています。
例えば、法人向けでは、運転資金や設備資金、賞与・決算資金などが定番であり、また個人向けでは、住宅資金や教育資金、自動車取得資金、アパート建設資金、小口資金(キャッシング)などが定番となっています。
融資の申込と実行
融資の申込みの際には、融資先(金融機関等)で厳格な審査が行われ、資金使途や返済能力、返済計画、保全面(担保・保証)、過去の信用情報などがしっかりとチェックされ、所定の基準に合致した場合に融資が承認されます。
そして、融資が実行されると、貸し手側は債権者となり、債権(資産)を持つのに対して、借り手側は債務者となり、債務(負債)を持つことになります。
融資の基本項目(契約内容)
融資は、債権者と債務者の間では、将来の弁済を約束した上で、金銭を消費するために借り入れる「金銭消費貸借契約」であり、通常、借用証書(金銭消費貸借契約証書)を作成する場合、以下のようなことが取り決められます。
・資金使途
・借入金額
・最終弁済期日
・金利(固定金利、変動金利)
・利息の支払方法
・返済方法(元金均等、元利均等、元本一括、残高スライド他)
・担保/保証
・損害金(延滞時)
融資の種類(法人向け)
融資という用語は、金融機関や信用保証協会、商工会議所、地方公共団体、政府(官庁)など様々なところで使われており、現在、以下のような種類があります。
|制度融資|
主に中小企業を支援するために、自治体が金融機関に利子を補給したり、資金を預けたりして貸し付ける制度をいう。
|マル保融資|
主に中小企業が金融機関から融資を受ける場合に利用するもので、信用保証協会の保証がついた融資をいう。
|マル経融資|
小規模事業者の経営をバックアップするために、無担保・無保証人で商工会議所の推薦にもとづき融資される、日本政策金融公庫の公的融資制度をいう。
|創業融資|
起業後、すぐに融資を申し込める公的な融資制度で、国や自治体によって設けられている。
|プロパー融資|
制度融資やマル保融資などを除く、金融機関の定形外の一般融資のことで、簡単に言えば、金融機関から直接借り入れることをいう。
|つなぎ融資|
資金的ズレを埋め合わせる場合などに利用される、一時的に(短期で)実行される融資をいう。
|ノンリコース融資|
特定の事業や資産(責任財産)から生ずる収益(キャッシュフロー)のみを返済原資とする、非遡及型の融資をいう。
|協調融資|
大型の資金調達ニーズに対して、複数の金融機関が協調してシンジケート団を組成し、一つの融資契約書に基づき同一条件で融資を行うことをいう。
融資の基本形態(法人向け)
銀行等の金融機関の法人向け融資の基本形態には、以下の5つがあります。
|証書貸付|
金銭消費貸借契約証書(借用金証書)を貸付金債権の証拠として差し入れを受ける融資形態。
|手形貸付|
借用金証書の代わりに融資先振出の約束手形の差し入れを受ける融資形態。
|当座貸越|
当座勘定貸越約定書に基づき、当座預金残高を超えて一定限度の金額まで小切手と手形の支払いに応じる融資形態。
|手形割引|
期日未到来の手形を額面金額から支払期日までの利息相当額(割引料)を差し引いて金融機関が買い取り、その代り金を交付する融資形態。
|支払承諾|
金融機関が取引先の依頼により、取引先が債権者に対して負担する債務を支払保証する与信形態(金融機関は保証の対価として保証料を受け取る)。保証の際に資金の交付を伴わないが、取引先が債務不履行の場合は、金融機関が保証債務を履行することになる。
融資と貸付と貸出の相違
融資と貸付と貸出は、似たような感じの用語で、同じような意味合いで使われることも多いですが、実際は若干異なります。具体的には、融資は、貸付や貸出とは異なり、資金だけを対象としています。
|融資|
資金を融通して貸し出すこと。
|貸付|
各種条件を定めて、資金や物品、権利などを貸したりすること。
|貸出|
金銭や物品などを他者に、条件を設定して一定期間提供すること。