金融検査

読み方: きんゆうけんさ
分類: リスク管理

金融検査は、「銀行検査」とも呼ばれ、信用秩序の維持や預金者保護を目的に、銀行法などに基づいて金融庁が実施する検査をいいます。

具体的には、本庁や地方財務局の検査官が銀行等の金融機関の店舗に立ち入り、業務や資産内容などを調査し、その金融機関の業務の健全性や適切性の確保、及びその金融機関が金融仲介機能を適切に果たしているかなどの検証を行うものです。

その際に立入検査権や資料提出請求権が付与されているほか、金融機関側がこれを拒む場合には罰則を適用されることもあります。また、法令違反や不正などが見つかった場合は、金融機関に指摘の上、監督部局に内容を伝え、行政処分等を検討します。

現在、金融検査の基本的な考え方は、金融庁の「金融検査に関する基本指針」で示されており、またその使命を的確に果たすため、5つの基本原則(1.利用者視点の原則、2.補強性の原則、3.効率性の原則、4.実効性の原則、5.プロセス・チェックの原則)に即して検査を実施することとしています。

◎1990年代のバブル崩壊後長らくは、不良債権問題への対応が最重要課題であったが、昨今では、利用者保護や法令順守へと検査の軸足を移している。

◎2018年6月に金融庁が公表した「金融検査・監督の考え方と進め方」では、今後の検査・監督の進め方として、実質・未来・全体の視点からの検査・監督に注力するとしている。

◎長年、金融検査にあたっては、「金融検査マニュアル(預金等受入金融機関に係る検査マニュアル)」に従って実施されていたが、2019年12月18日に「金融検査マニュアル」を廃止した。

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