東南アジア諸国連合(ASEAN)

読み方: とうなんあじあしょこくれんごう
英語: Association of Southeast Asian Nations
分類: ASEAN

東南アジア諸国連合は、「ASEAN(アセアン)」とも呼ばれ、東南アジア10カ国の地域協力機構をいいます。1967年8月にASEAN設立宣言(バンコク宣言)に基づき設立され、本部(事務局)はインドネシアのジャカルタにあります。

当初の原加盟国は、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの5カ国で、その後、新規加盟国として、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアが加わり、東南アジア10カ国を含む地域協力機構(ASEAN10)となりました。

これまで、ASEANは域内に多くの課題を抱えつつも、政治や経済、安全保障をはじめとして数々の地域協力を成功させ、また1980年代以降は「世界の成長センター」と呼ばれる程の経済発展を遂げたことから、世界で最も成功している地域協力機構の一つと言われています。

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東南アジア諸国連合(ASEAN)の発足

東南アジア諸国連合(ASEAN)は、1967年8月8日に「東南アジア連合(ASA)」を発展的に解消する形で発足しました。

◎ASEANの発足以前の東南アジアには、1961年にラーマン・マラヤ連邦首相(当時)の提唱で、タイ、フィリピン、マラヤ連邦(マレーシアの前身)の3カ国で結成された「東南アジア連合(ASA)」が存在した。

◎ベトナム戦争を背景として、地域協力の動きが活発化し、加盟国間の政治的問題等により機能が停止していたASAに、さらにインドネシア、シンガポールを加えた新たな機構設立の機運が高まった。

◎1967年8月5日、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの5カ国外相がバンコクに参集し、8月8日にASEAN設立を宣言する「バンコク宣言」が採択され、ASEANが発足したのに伴い、ASAは発展的に解消した。

東南アジア諸国連合(ASEAN)の設立目的と加盟

東南アジア諸国連合(ASEAN)は、東南アジアの近隣諸国が緩い結びつきのもとで友好善隣を促進するために設立されたもので、現在、加盟国は以下のような条約等に加入しています。

設立目的

・域内における経済成長、社会・文化的発展の促進
・地域における政治・経済的安定の確保
・域内諸問題の解決

加盟条約等

・東南アジア諸国連合(ASEAN)設立宣言
・ASEAN協和宣言
・第二ASEAN協和宣言(バリ・コンコードⅡ)
・東南アジア友好協力条約(TAC)
・東南アジア平和・自由・中立地帯(ZOPFAN)構想
・東南アジア非核兵器地帯条約(SEANWFZ)
・ASEAN事務局設立協定

東南アジア諸国連合(ASEAN)の機構

東南アジア諸国連合(ASEAN)は、ASEAN首脳会議を最高意思決定機関として、以下のような主要会議が定期的に開催されています。また、この下に、常任委員会や分野別委員会、高級実務者会議などもあります。

・ASEAN首脳会議(ASEAN Summit)-年の終わりに開催
・ASEAN外相会議(AMM)-毎年夏に開催
・ASEAN経済閣僚会議(AEM)-毎年夏に開催
・ASEAN財務閣僚会議(AFM)-毎年春に開催
・分野別閣僚会議-毎年定期的に開催

さらなる発展に向けたASEAN共同体の発足

2003年の東南アジア諸国連合(ASEAN)の会合で、各国首脳は「第二ASEAN協和宣言」を採択し、2020年までに「APSC(政治・安全保障共同体)」、「AEC(経済共同体)」、「ASCC(社会・文化共同体)」から成る、参加国の国家主権を維持する形態の「ASEAN共同体」を設立することで合意しました。

その後、2007年の首脳会合では、域内の経済統合の展望から、ASEAN共同体設立の目標年次を2015年に前倒すことを決定し、2015年12月31日に6億人の単一市場や共生社会を掲げる「ASEAN共同体」が予定通り発足し、新たな段階へと進みました。