NIEs(新興工業経済地域)
読み方: | にーず |
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英語: | Newly Industrializing Economies |
分類: | 総称・造語 |
NIEsは、"Newly Industrializing Economies"の略で、「新興工業経済地域」とも呼ばれ、世界の発展途上国の中で、20世紀後半に輸出産業を軸として急速な工業化により経済成長を果たした国・地域の総称をいいます。
世界経済において、一部の途上国が躍進した20世紀後半に主に使われた用語で、その後、21世紀になってからは、対象国の状況や新たな途上国の台頭など大きく変わったこともあり、昨今では、ほとんど使われていません。
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NIEsの由来
NIEsは、1979年に経済協力開発機構(OECD)が発表したレポートにおいて、「NICs(Newly Industrializing Countries)」と定義したことに由来します。
具体的には、貿易自由化や輸出加工区などをテコとして輸出指向の工業化政策を採用し、実際に製造業品の輸出を急増させると共に、生産と雇用に占める工業部門の比率を拡大させ、また一人当たり国民所得の先進工業国との格差を縮小させた国を「NICs(新興工業国)」と定義しました。
NICsからNIEsへ
当初は「NICs(新興工業国)」という呼称で、韓国、台湾、香港、シンガポール、メキシコ、ブラジル、ギリシャ、ポルトガル、スペイン、旧ユーゴスラビアの10カ国・地域を指していましたが、1988年に中国、マレーシア、タイの3カ国を加えて「NIEs(新興工業経済地域)」と呼ぶようになりました。
なお、呼称が変更されたのは、1988年6月に開催されたトロンサミットにおいて、台湾や香港を独立の「国家」と呼ぶのは不適切であるという中国に対する政治的配慮がなされたことによるもので、以降、「NIEs」という用語が使われるようになりました。