BRICs
読み方: | ぶりっくす |
---|---|
分類: | 総称・造語 |
BRICsは、ブラジル連邦共和国(Brazil)、ロシア連邦(Russia)、インド共和国(India)、中華人民共和国(China)の4カ国の頭文字を並べた、台頭する新興大国を意味する造語をいいます。
「brick(レンガ)」をもじったもので、2003年10月に米国のゴールドマン・サックスの経済調査部が「Dreaming with BRICs: The Path to 2050(BRICsについての大胆な予測:2050年への道程)」という投資家向けレポートで初めて使用して以来、メディアや金融機関などでもよく使用されるようになりました。
当時、このレポートによると、人口動態予測や資本蓄積、生産性モデルを使用し、2050年までのBRICsのGDP成長率、1人あたり国民所得、為替動向をモデル化し、先進国(G6:米国、日本、英国、ドイツ、フランス、イタリア)の長期予測と比較した結果、予測通りに事態が進展した場合、BRICsは遠くない将来、世界の新たな消費支出の重要な源泉となり、2039年までにはG6を上回る可能性があるとのことです。
すなわち、BRICsが将来的に世界経済において大きな存在となる可能性があると指摘し、さらに2050年の世界経済の勢力図について、以下のように予測しました。
◎2050年の国内総生産(GDP)は、中国、アメリカ、インド、日本、ブラジル、ロシアの順番となっている。
◎中国のGDPは、2007年にドイツ、2015年に日本、2039年にはアメリカを抜き、2050年には世界最大の経済大国になっている(実際は、2007年にドイツ、2010年に日本を抜いた)。
◎ロシアのGDPは、2028年にイタリア、フランス、ドイツを上回り、ブラジルは、2036年までにロシアを抜いている。
BRICsの4カ国は、2009年6月にロシアのエカテリンブルクで初めての首脳会議を開催し、また2011年4月に中国の北京で開催された首脳会議に南アフリカ共和国(南ア)が初めて参加し、正式名称を「BRICS首脳会議」に変更して以降、BRICsに南アが加わり、小文字のsを大文字に変えた「BRICS」の表記も使われるようになりました。
<BRICsの共通点について>
広大な国土、豊富な天然資源、労働力の源泉となる膨大な人口を持つのが共通点となっており、国土面積については、ロシアが世界1位、中国が3位、ブラジルが5位、インドが7位で、また人口(2021年)については、中国が世界1位、インドが2位、ブラジルが6位、ロシアが9位となっている。