ドル・スワップ協定
読み方: | どるすわっぷきょうてい |
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分類: | 通貨 |
ドル・スワップ協定は、金融機関の米ドル調達を支援するために、連邦準備制度理事会(FRB)が日欧の主要中央銀行と結んでいる協定をいいます。
通貨スワップ協定の一つで、具体的には、FRBの窓口であるニューヨーク連銀が各々の通貨とスワップ(交換)する形でドル資金を主要中央銀行に供給し、それを元に各中央銀行は、国債等の担保と引き換えに一定金利で金融機関にドル資金を貸し出し、マーケットのドル不足に対応する仕組みになっています。
※通貨スワップ協定:国や地域が互いに外貨準備を活用して、主に米ドルなどの外貨を融資し合う取り決めのこと。
2008年のリーマンショックにおいて、世界的な信用不安からマーケットでドル資金が大きく不足する事態となり、日米欧の中央銀行(米国連邦準備制度、カナダ銀行、イングランド銀行、日本銀行、欧州中央銀行、スイス国民銀行)が「ドル・スワップ協定(米ドル・スワップ取極)」を実施しました。
その後、いったん終了しましたが、2010年5月に欧州信用不安などを受けて再開され、2014年2月1日まで延長されました。そして、2013年10月31日に従来の時限的な中央銀行間の流動性スワップ取極を常設化することを公表し、今後、別途の通知があるまで、これを存続することになりました。
<中央銀行間の流動性スワップ取極の常設化>
常設化された取極は、上記の6つの中央銀行において、2つの中央銀行間スワップ取極のネットワークとして構成されており、各中央銀行が自国・地域において、いずれの他通貨によっても、流動性を供給することを可能とするもの。こうした流動性供給は、対象となる通貨に係るスワップ取極の当事者である2つの中央銀行が、市場の状況によって必要と判断した場合に行うことが可能である。