チェンマイ・イニシアティブ(CMI)
英語: | Chiang Mai Initiative(CMI) |
---|---|
分類: | 通貨 |
チェンマイ・イニシアティブ(CMI)は、「チェンマイ・イニシアチブ」とも表記され、2000年5月にタイ王国のチェンマイで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)+日中韓蔵相会議で成立した、東アジアにおける経済危機発生時の自助・支援のための地域金融協力への合意をいいます。
外貨準備として抱えるドル資金を活用し、東アジア地域で連携して通貨暴落などによる経済危機を防ぐ仕組み(緊急時に外貨を融通し合う仕組み)で、出来る限り国際通貨基金(IMF)に依存せず、域内で自律的に危機対応できる体制を整えるという狙いがあります(資金枠は2400億ドル、拠出額は日中韓で全体の8割)。
目次:コンテンツ構成
チェンマイ・イニシアティブ(CMI)の背景
チェンマイ・イニシアティブ(CMI)は、1997年-1998年のアジア通貨危機の経験を元に、1999年11月のASEAN+日中韓首脳会議(フィリピン・マニラ)において、その再発防止策として、短期流動性問題への対処、既存の国際的枠組みの補完を目的とする、東アジアにおける自助・支援メカニズムの強化の必要性に言及したのが始まりとなっています。
チェンマイ・イニシアティブ(CMI)の発展
チェンマイ・イニシアティブ(CMI)は、当初の合意では、通貨暴落などで急激な資金流出が起きた国に対して、外貨を融通する二国間の通貨交換協定が柱で、融通を受けた国は市場介入などに必要な外貨を得られました。
その後、2007年5月に二国間取極のネットワークを一本の多国間協定に束ねるマルチ化を進めることで合意し、2010年3月に「マルチ化契約」が発効しました。
チェンマイ・イニシアティブ(CMI)の目的と活用
チェンマイ・イニシアティブ(CMI)の主な目的は、ASEAN+3(日中韓)域内国の国際収支や短期資金の流動性の困難への対応、既存の国際的枠組みの補完であり、万一の時にマルチ化契約の下、通貨危機により資金支援が必要な国に対して、通貨スワップを通じた支援が行われます。
具体的には、契約当事国は、マルチ化契約の規定に従い、それぞれの資金貢献額に買入乗数を乗じた金額を上限とした外貨資金を、現地通貨とのスワップにより借り入れることができます。