東アジア地域包括的経済連携(RCEP)
読み方: | ひがしあじあちいきほうかつてきけいざいれんけい |
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英語: | Regional Comprehensive Economic Partnership |
分類: | 貿易・協定 |
東アジア地域包括的経済連携(RCEP)は、東南アジア諸国連合(ASEAN)を中心に15カ国が参加する「メガFTA(広域自由貿易協定)」をいいます。
日本・中国・韓国・オーストラリア・ニュージーランド・インドの6カ国(FTAパートナー諸国)がASEANの10カ国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)と持つ5つのFTAを束ねる「広域的な包括的経済連携構想」で、2011年11月にASEANが提唱したものです。
2013年5月から交渉を開始し、7年超の時を経て、2020年11月に15カ国がRCEP協定に署名し、2022年1月1日に発効しました。
※2019年11月にインドはRCEPから離脱し、15カ国となった。
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東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の実現
2022年1月1日に「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」が発効し、世界経済の中で、人口・経済規模・貿易総額で世界最大級の広域経済圏が出現することになりました。
RCEPでは、関税の自由化だけでなく、サービス分野の規制緩和や投資障壁の撤廃なども対象になり、日本にとっては、本地域におけるサプライチェーンの拡大や通関コストの低減のほか、小売り・サービス分野の進出促進にもつながります。
なお、日本は、将来的な構想として、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)と環太平洋経済連携協定(TPP)を合わせた「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)」の実現を目指しています。
東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の経緯
東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の経緯(進展状況)は、以下のようになっています。
・2011年11月:ASEAN側は日中共同提案を踏まえ、RCEPに係る3作業部会(物品貿易、サービス貿易、投資)を設立することで一致
・2012年08月:RCEPを議論するために、ASEAN+FTAパートナーズ経済大臣会合が初めて開催され、各国が基本指針について合意
・2012年11月:カンボジアのプノンペンでASEAN関連首脳会議の機会にRCEP交渉立上式が開催され、ASEAN諸国及びFTAパートナー諸国により、RCEP交渉の立上げが宣言
・2013年05月:ブルネイで第1回交渉会合が開催
・2015年11月:マレーシアのクアラランプールでASEAN関連首脳会議の機会にRCEP交渉に関する共同声明文が発出
・2018年08月:RCEP閣僚会合で、協議を加速していくことを決定
・2019年11月:インドを除く15カ国で交渉が大きく進展したが、インドは離脱
・2020年11月:15カ国がRCEP協定に署名、交渉開始から8年で妥結
・2022年01月:RCEP協定の発効要件が満たされ、1月1日に発効