国債引き受け

国債引き受けは、新規発行の国債について、国と中央銀行が市場を介さずに直接取引する（中央銀行が買い受ける）ことをいいます。これは、財政の仕組み面では、中央銀行による財政ファイナンス（国への資金供与）となり、国の財政規律において、禁じ手となっています。

目次：コンテンツ構成

• 国債引き受けのリスク
• 国債引き受けの禁止（日本の場合）

国債引き受けのリスク

国債引き受けを行うと、その国の政府の財政節度を失わせると共に、中央銀行による通貨の増発に歯止めが掛らなくなって、悪性のインフレ（ハイパーインフレ等）を引き起こす恐れ（リスク）があります。

万が一、そうなった場合、その国の通貨や経済運営そのものに対する国内外からの信頼も大きく損なわれるため、先進各国では、中央銀行による国債引き受けを制度的に禁止しています。

国債引き受けの禁止（日本の場合）

日本においては、「国債の市中消化の原則」と呼ばれるものがあり、日本銀行における国債引き受け（日銀引き受け）は、財政法第5条によって原則として禁止されています。

ただし、金融調節の結果として保有している国債のうち、償還期限が到来したものについては、「財政法第5条（ただし書き）」の規定に基づき、国会の議決を経た金額の範囲内に限って、国による借り換えに応じています。

※国による借換えのための国債の引受けは、予め年度毎に日銀政策委員会の決定を経て行っている。