アベノミクス
英語: | Abenomics |
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分類: | 政策 |
アベノミクス(安倍ノミクス)は、2012年12月-2020年9月の安倍晋三内閣(安倍政権)の一連の経済政策の通称をいいます。
自由民主党の政治家で、日本の首相(内閣総理大臣)を勤めた安倍晋三氏の名と、エコノミクス(経済学)を組み合わせた造語で、「レーガノミクス(1980年代の米国のレーガン政権の自由主義経済政策)」と似たような感じで命名されたものです(政権奪取前の2012年11月頃から多様されるようになった)。
当時、アベノミクスは、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「三本の矢(三つの基本方針)」からなっており、その内容は国内外から広く注目され、また本政策を支持する専門家と支持しない専門家の間で評価(見方)が大きく分かれていました。
目次:コンテンツ構成
アベノミクス:日本再興戦略(2013年)
2013年に閣議決定されたもので、日本経済の再生に向け、(1)大胆な金融政策、(2)機動的な財政政策、(3)民間投資を喚起する成長戦略という3つの政策を「三本の矢」として同時展開していくとしました。
(1)大胆な金融政策
日本銀行が大胆な金融緩和(金融政策)を行い、世の中に出回るお金の量を大きく増やして経済(景気)を活気づけ、長い間、日本経済の足かせとなっているデフレマインドを一掃するというもの(日銀は、2013年4月に「量的・質的金融緩和(異次元緩和)」を導入)。その元となる概念は、お金の量を増やして、デフレからインフレに転換するリフレーション(リフレ)政策。
(2)機動的な財政政策
民主党政権時代から一転して、大規模な公共事業を全国的に行うことで湿った経済(景気)を発火させ、日本経済を活性化しようとするもの。その元となる概念は、典型的なケインジアンの経済政策で、またその内容は、防災やインフラを推進する「国土強靱化計画」が基になっている。
(3)民間投資を喚起する成長戦略
規制緩和や新市場創造などにより、民間活力の活性化を実現しようとするもの。具体的には、今後10年間の平均で名目GDP成長率3%程度、実質GDP成長率2%程度の実現を目指す、規制改革などを柱とする成長戦略「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」を閣議決定。
<日本再興戦略の3つのアクションプラン>
|日本産業再興プラン|
・緊急構造改革プログラム(産業の新陳代謝の促進)
・雇用制度改革・人材力の強化
・科学技術・イノベーションの推進
・世界最高水準のIT社会の実現
・立地競争力の更なる強化
・中小企業・小規模事業者の革新
|戦略市場創造プラン|
・国民の健康寿命の延伸
・クリーン・経済的なエネルギー需給の実現
・安全・便利で経済的な次世代インフラの構築
・世界を惹きつける地域資源で稼ぐ地域社会の実現
|国際展開戦略|
・戦略的な通商関係の構築と経済連携の推進
・海外市場獲得のための戦略的取組
・日本の成長を支える資金・人材等に関する基盤整備
アベノミクス:一億総活躍社会の実現(2015年)
2015年に閣議決定されたもので、日本の構造的な問題である少子高齢化に真正面から挑み、「希望を生み出す強い経済」、「夢をつむぐ子育て支援」、「安心につながる社会保障」の「新・三本の矢」の実現を目的とする「一億総活躍社会」の実現に向けて、政府を挙げて取り組んでいくとしました。
<一億総活躍社会とは?>
「人生100年時代構想」と「働き方改革の実現」
◎若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会。
◎一人ひとりが、個性と多様性を尊重され、家庭で、地域で、職場で、それぞれの希望がかない、それぞれの能力を発揮でき、それぞれが生きがいを感じることができる社会。
◎強い経済の実現に向けた取組を通じて得られる成長の果実によって、子育て支援や社会保障の基盤を強化し、それが更に経済を強くするという「成長と分配の好循環」を生み出していく新たな経済社会システム。