根保証

読み方: ねほしょう
分類: 担保・保証

根保証は、継続的な取引関係から生ずる、不特定・多数の債務のためにする保証をいいます。これは、債務者が現在保有する債務、および将来保有する債務の全てについて保証する約束となっています。

通常の保証は、特定の債務を保証するものであって、付従性(保証する特定の債務が消滅すれば、保証債務も消滅するという性質)があるのに対して、根保証には付従性がありません。

目次:コンテンツ構成

根保証の種類と制限

根保証には、金額や期間に限定のない「包括根保証」と、金額・期間の一方あるいは両方を限定した「限定根保証」の二つがありますが、個人(保証人)に関する包括根保証については、2005年4月1日施行の改正民法により禁止となりました。

また、2020年4月1日施行の改正民法では、包括根保証の禁止の対象が拡大されるなど、個人保証人の保護が拡充されました。

<個人の根保証(限定根保証のみ)>

主債務に含まれる債務の種類を問わず、書面または電磁的記録で、極度額を定めなければその効力を有さない。

根保証の概要

包括根保証の変更(2005年)

2005年4月1日施行の改正民法において、個人に関する包括根保証の禁止の主なポイントは、以下のとおりです。

●要式行為化

根保証契約は、書面で行わなければ効力を生じない。

●保証の極度額の定め

根保証契約は、書面上、保証の極度額(主債務の元本、利息及び損害賠償の全てを含む)を定めなければ効力を生じない。

●保証期限(元本確定期日)の定め

契約において元本確定期日を定める場合は、契約日から5年以内とする必要がある。また、契約において元本確定期日を定めない場合は、契約締結から3年を経過した時点で保証する主債務の元本が確定する。

●元本確定事由

以下の事由が発生した場合には、保証人の保証債務の元本が確定する。

・債務者や保証人が強制執行を受けた場合
・債務者や保証人に対する破産手続開始の決定があった場合
・債務者や保証人が死亡した場合

個人に関する根保証の変更(2020年)

2020年4月1日施行の改正民法において、個人に関する根保証の規制強化(変更)の主なポイントは、以下のとおりです。

(1)包括根保証の禁止の対象拡大(不動産の賃貸借契約などの貸金等債務以外の根保証にも拡大)

(2)事業性融資における第三者保証の制限(公証人による意思確認手続きの新設)

(3)保証契約締結時の情報提供義務

(4)主債務者が期限の利益を喪失した場合の情報提供義務

(5)主債務者の履行状況に関する情報提供義務

iFinancial TV