ストックオプション

英語: Stock Option
分類: 組織/報酬制度

ストックオプション(Stock Option)は、会社の役員や従業員などが、将来の一定期間に予め決められた価格で、一定数の株式(自社株等)を取得することができる権利をいいます。

役員や従業員などに付与された「新株予約権」のことで、株価がどれだけ上昇しても、当初の権利行使価格で購入してキャピタルゲイン(売却益)を得ることができるため、業績連動型のインセンティブ報酬とも言えます。

ここでは、ストックオプションの概要について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

ストックオプションの基本事項

ストックオプションを付与された役員や従業員などは、将来、株価が上昇した時点で権利行使を行い、その株式を取得して売却することにより、株価上昇分のメリット(売却益)を享受することができます。

通常、付与される対象株式は、当該企業の自社株式ですが、親会社子会社の従業員に親会社株式を対象とするストックオプションを付与するケースのように、自社株式以外が対象となる場合もあります。

ストックオプションの仕組み

ストックオプションを付与しても、会社からは現金やその他資産の形での流出が特になく、また市場で売買される株式オプションとは異なり、勤務条件や業績達成に関する条件など、会社の事情を勘案した様々な条件を付すことができます。

1.会社(子会社を含む)の役員や従業員などに対し、「新株予約権」を無償で発行する。

2.株価が上昇し、権利行使価格を上回った時点で、役員や従業員などは会社に対して権利を行使する。

3.会社は権利行使を受け、新株あるいは会社の保有する自己株式(金庫株)を交付する。

4.役員や従業員などは、権利行使価格で取得した株式を時価で売却することによりキャピタルゲイン(譲渡益)を獲得する。

ストックオプションのメリット

ストックオプションは、米国で広く活用され、日本では1997年から導入が可能になり、以下のようなメリットがあります。

◎権利保有者の利益が株価上昇と直接連動しているため、権利保有者は株価上昇のために会社の業績向上に努めるという「インセンティブ」としての効果が期待できる。

◎権利付与による報酬額は株価上昇に連動するため、株価上昇により報酬額が増大しても、会社としてのコストは変わらず、株価を活用した「低コストの成功報酬制度」と言える。

◎会社の業績向上に伴う株価上昇により、大きな報酬を獲得することも可能な魅力ある成功報酬制度を活用することにより、「優秀な人材の確保や人材流出を防ぐ効果」が期待できる。

◎本制度を導入することにより、会社が自社の株価や業績を強く意識しているという経営姿勢をアピールする「アナウンスメント効果」が期待できる。

◎本制度を導入することにより、株価向上のための業績向上のインセンティブが働くことによって、実際に業績や株価が上昇すれば、既存株主にとっても「株式価値向上」につながる。

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