社外取締役

読み方: しゃがいとりしまりやく
分類: 組織/役員

社外取締役は、株式会社の取締役であって、現在及び過去において、当該株式会社またはその子会社の代表取締役・業務執行取締役もしくは執行役または支配人その他の使用人ではない者をいいます。

取締役会の監督機能強化を目的として、会社の最高権限者である代表取締役などと直接利害関係のない独立した有識者や経営者などから選任される取締役で、その位置づけとして、株主の代表として経営陣を監督したり、株主利益を取締役会の意思決定に反映させたりする役割を担います。

目次:コンテンツ構成

社外取締役の定義

社外取締役は、社内から昇格したのではなく、社外から就任した取締役で、会社法では、以下のように定義されいます。

<会社法の第2条15号(定義:社外取締役)>

株式会社の取締役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。

イ.当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役、若しくは執行役又は支配人その他の使用人でなく、かつ、その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。

ロ.その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与又は監査役であったことがある者にあっては、当該取締役、会計参与又は監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。

ハ.当該株式会社の親会社等又は親会社等の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。

ニ.当該株式会社の親会社等の子会社等の業務執行取締役等でないこと。

ホ.当該株式会社の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等の配偶者又は二親等内の親族でないこと。

社外取締役の設置の義務化

2019年12月4日に会社法の一部を改正する法律が成立し、2021年3月1日に施行されました。

この改正では、「上場会社は社外取締役を置かなければならない」と明記され、その狙いとして、日本企業のコーポレートガバナンス(企業統治)を強化して株式市場の透明性を高め、海外から投資を呼び込むことです。

また、設置の義務化については、(1)監査役会を置き、株式の譲渡制限がない(2)資本金が5億円以上または負債総額200億円以上の大会社(3)有価証券報告書の提出義務がある、のいずれも満たす企業を対象としています。

●会社法327条の2(改正後)

上場会社について、社外取締役の設置が義務付けられることになった。

●会社法348条の2(改正後)

社外取締役が取締役会から委託された業務を執行した場合に社外性を失わないものとする規定が設けられた。

社外役員に関する情報開示

現在、日本において、株主等からの社外役員に関する情報開示の要望に応えるため、会社法では、社外取締役等の独立性に関する判断材料の提供と共に、社外取締役等に期待されている監督機能の評価に資する情報の開示が大幅に強化されています。

具体的には、社外役員の選任時における「株主総会参考書類」での情報提供の義務と、選任後の社外役員の独立性と実際の活動状況などを「事業報告」で開示する義務があります。

iFinancial TV