私的整理
読み方: | してきせいり |
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分類: | 企業処理 |
私的整理は、「任意整理」や「内整理」とも呼ばれ、破綻状態にある債務者に対して、法的手続きに拠らずに、債権者と債務者の合意によって債権債務を整理(処理)する手続きをいいます。
破産法や民事再生法、会社更生法などに従って処理する「法的整理」と対をなす用語で、債務者が、個人の場合は生活再建を目指し、また法人の場合は事業継続を目指す「再建型」と解体する「清算型」に分かれます。通常、合意形成にあたっては、裁判所は介在せず、弁護士や司法書士などを通じて交渉が行われます。
一般に私的整理は、法的整理に比べて、迅速かつ柔軟、低コストで手続きを進めることができ、法人の場合は「倒産」というレッテルを貼られずにすむ利点もあります。その一方で、特別な立法はなく、民法など一般私法の規律に服するだけであり、時として、その手続きが不透明となり、利害関係者にとって不公平な処理策ができた場合、処理の障害(合意形成の失敗)となる恐れもあります。
このような事態に対して、昨今では、法人においては、有識者のコンセンサスで作成された「私的整理に関するガイドライン」に沿った私的整理が増えています。
<私的整理に関するガイドラインの特徴>
・経営者と株主はそれぞれ責任を負う
・法的再生と同水準かそれ以上の再生が図れる
・債権者が債権の無税償却ができる(税務上の取扱いもあり)
・私的整理が失敗した場合、法的再生手続きを申立てられる