裁定残
読み方: | さいていざん |
---|---|
分類: | 指標 |
裁定残は、「裁定取引残高」の略で、裁定取引(アービトラージ)に伴う現物の売買で、まだ決済が終わっていない現物の残高をいいます。これには、裁定買いを解消していない「裁定買い残」と裁定売りを解消していない「裁定売り残」の二つがあります。
|裁定買い残|
先物売り・現物買いのポジションを組んで、まだ取引を解消していない現物買いの残高。
|裁定売り残|
先物買い・現物売りのポジションを組んで、まだ取引を解消していない現物売りの残高。
裁定取引とは、市場間に生じる「歪み」に着目し、同一の性格を持つ2つの商品の間で、割安な方を買い、割高な方を売ることにより、理論上、リスクなしで収益を確定させることができるもので、株式の裁定取引では、株価指数先物と現物株がセットで取引されます。
一般に株式の裁定取引において、株価指数先物の決済日に裁定残が大量に残っていると、現物株の売買(売りや買戻し)につながり、相場の波乱要因となります。
ちなみに、東京証券取引所では、毎営業日、「裁定取引に係る現物株式の売買及び現物ポジション(全取引参加者報告合計)」を公表しています。