現在価値

読み方: げんざいかち
英語: Present Value
分類: 基本事項

現在価値は、「PV」とも呼ばれ、発生時期の異なる貨幣価値を比較可能にするために、将来価値を一定の割引率(現金の時間的価値)を使って、現在時点まで割り戻した価値をいいます。

企業価値の評価や金融商品の評価などファイナンス全般で使われる用語で、将来得られるキャッシュフローについて、割引率を用いて、現在の価値に計算し直した時にいくらになるかを示したものです。例えば、スワップやオプションなどのデリバティブの時価については、キャッシュフロー毎の現在価値の合計額になります。

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現在価値の概念

現在価値は、将来価値に対する用語で、割引率を使って、将来に発生する価値を現時点での価値に直したものをいいます。

<現在価値と将来価値の具体例>

例えば、1,000,000円(現在価値)を年利1%で1年間運用したら、1年後に1,010,000円(将来価値)になる。一方で、1年後に1,000,000円(将来価値)にしようとするなら、割引率は1%となり、その現在価値は990,099円になる(1,000,00円/1.01=990,099円)。

一般に貨幣(お金)の価値は、同金額ならば、それを受け取る時点が現在に近いほど価値は高くなります。その理由として、上記の例からも分かるように、国債等のほぼ無リスクな運用手段により、金利収入分が上乗せされ、時間の経過の中で価値が増えるからです。

現在価値とリスク

実際の企業価値や金融商品などから生み出されるキャッシュフローには「リスク」が付きものであり、そのリスクによっても、現在価値は大きな影響を受けます。通常、リスクについては、現在価値を減少させる要素となりますが、どれだけ現在価値を減少させるかの定量化は難しいことが多いです。

そのため、デリバティブのプライシングなどでは、こういったリスクに対しての「減価をしない市場(いわゆるリスク中立世界)」を仮定してプライシングする手法もあります。

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