優先出資証券

読み方: ゆうせんしゅっししょうけん
英語名: Preferred Securities
分類: 証券

優先出資証券は、株式会社の優先株式にあたるもので、協同組織金融機関および特別目的会社が、株式会社の株式にあたる普通出資を補完する目的で発行する有価証券をいいます。これは、「協同組織金融機関の優先出資に関する法律(優先出資法)」と「資産の流動化に関する法律(SPC法)」に規定されており、いずれも金融商品取引法に定められた有価証券となっています。

一般に優先出資証券は、負債と資本の両方の性格を併せ持つ「ハイブリット証券」の一種であり、通常、普通社債よりもリスクが大きい一方で、相対的に高いリターン(利回り)を期待できることから、投資信託(ファンド)の組入資産としても注目されています。

優先出資証券の発行

現在、優先出資法の優先出資証券は、農林中央金庫、信用協同組合及び全国信用協同組合連合会、信用金庫及び信用金庫連合会、労働金庫及び労働金庫連合会、農業協同組合及び農業協同組合連合会、漁業協同組合など、会員の相互扶助を目的とした協同組織の形態をとる「協同組織金融機関」に発行が認められています。

また、SPC法の優先出資証券は、銀行等の金融機関が特定の機関投資家向けに発行することがあります。(現行のバーゼルⅢでは、補完的項目(Tier2)であるが、その前のバーゼルIIでは、自己資本比率を増強する効果が見込めたため、SPCを通じて海外市場で発行されることが多かった)

※2000年に信金中央金庫の優先出資証券が東京証券取引所に日本で初めて上場された。

優先出資証券の仕組み

優先出資証券は、「出資証券」という名称の株券類似の有価証券のうち、優先株式と同様、議決権がない代わりに配当の優先権が高く、残余財産の分配においても、普通出資者に優先して分配を受けることができるという仕組みになっています。

通常、発行条件については様々ですが、償還期限が長期であるかを定めず、議決権を有さず、普通出資への転換権が与えられず、また配当率が予め定められているといった条件で発行されるものが多いです(繰上償還条項が付され、任意に償還できるようになっている場合、配当率は普通社債より高く設定されている)。

なお、優先出資証券は、租税特別措置法上の株式等とされているため、これを譲渡した場合の所得は、キャピタルゲイン課税の対象となります。