長期プライムレート(長プラ)
読み方: | ちょうきぷらいむれーと(ちょうぷら) |
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英語: | Long-term prime rate |
分類: | 金利 |
長期プライムレート(長プラ)は、銀行等の金融機関が最も信用度の高い優良企業に対して、長期(1年以上の期間)で貸し出す際の最優遇貸出金利をいいます。これは、金利自由化以前から公表されている金利で、今日でも一部の金融機関で公表されていますが、一方で企業向けの長期貸出では、現在、本レートを採用するケースはほとんどありません。
ここでは、その昔、ローン金利の基準となっていた「長期プライムレート」について、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
長期プライムレートの仕組み
長期プライムレートとは、民間金融機関が信用力の高い優良企業に対して、1年以上の長期融資(長期貸出)に適用する最優遇貸出金利(プライムレート)をいいます。
昔の長期プライムレート
かつて(昔)は、長期プライムレートの水準は、長期信用銀行の発行する「5年もの利付金融債」の発行利率に一定の利率を上乗せして決定されていました。また、各企業への融資金利(貸出金利)については、本レートをもとに、信用リスク等の大きさに応じて、上乗せ金利を付加して決定されていました。
今の長期プライムレート
今日では、長期信用銀行という形態が存在しないため、金融機関が発行する「5年もの普通社債」の発行利率や市場で取引されるスワップレートなど、マーケットにおける資金調達レートを参考に、一定の利率を上乗せする方式で決定されています。
長期プライムレートの公表先
長期プライムレートは、現在、長期信用銀行や信託銀行、系統金融機関など、1990年代まで長期金融が主体であった銀行等を源流に持つ、下記のような一部の金融機関でのみ公表されています。
・みずほ銀行
・新生銀行
・あおぞら銀行
・三菱UFJ信託銀行
・商工組合中央金庫 他
長期プライムレートの動向
長期プライムレートのヒストリカルデータ(時系列データ)は、日本銀行のウェブサイトにおいて、預金・貸出関連統計の中の「長・短期プライムレート(主要行)」で閲覧することができます。ちなみに、現在、掲載されているデータは、みずほ銀行の長期プライムレートです。
●1989年-1990年(バブル期)
最高値:8.90%、最低値:5.70%
●1991年-2000年(バブル崩壊期)
最高値:7.90%、最低値:1.90%
●2001年-2010年(デフレ期)
最高値:2.65%、最低値:1.25%
●2010年-現在(デフレ期)
最高値:1.70%、最低値:0.90%
●2021年-現在(コロナ後)
最高値:1.00%、最低値:1.00%
新長期プライムレートとは何か?
新長期プライムレートは、民間金融機関が優良企業向けに対して、長期(1年超の期間)で貸し出す際に適用する最優遇貸出金利をいいます。これは、短期プライムレートを基準に一定の利率を上乗せしたもので、昭和の終盤から平成の初期にかけて、金利が自由化に向かう流れの中で、1991年に導入されました。
なお、短期プライムレートとは、民間金融機関が優良企業向けに対して、短期(1年以内の期間)で貸し出す際に適用する最優遇貸出金利をいいます。