クオンツ

英語: Quants
分類: 職種

クオンツ(Quants)は、「Quantitative(数量的、定量的)」から派生した用語で、高度な金融工学の手法を用い、マーケット(市場)の動向等に対して分析や予測を行う業務、またはその専門家のことをいいます。

元々は、1980年代の米国で、NASAのロケット工学を専攻した科学者が、量子力学等の手法を金融工学に取り入れたのが始まりで、その後、デリバティブ取引やリスクマネジメントなど様々な分野で盛んに用いられるようになりました。

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クオンツの概要

現在、クオンツは、金融業界において、高度な数学的手法や数理モデルを使って、マーケットを分析したり、投資戦略や金融商品を考案・開発したりすること、もしくはその専門家のことを指します。

その中で、過去の市場データや企業業績の推移などの数値化できる情報を用いて分析したり、予測モデルを構築したりすることを専門に行っている人を「クオンツアナリスト」と言います。

また、定量モデルにより銘柄の魅力度を判断し、投資を行う運用手法を「クオンツ運用」と言い、その運用手法を使ったファンドが「クオンツファンド」です。

クオンツ運用の特性

クオンツ運用の特性として、(1)過去のデータに基づくため市場環境の変化に脆弱である、(2)ファンド間でのポートフォリオの類似性が高い、といった点が挙げられ、また将来の成功の鍵としては、まだ使用されていない「独自ファクター」の開発が求められます。

過去においては、リーマンショックの約1年前の2007年8月に、一見全く関係のないサブプライム問題により、マーケットで換金化の連鎖反応が発生し、大手金融機関の大規模クオンツファンドが、相次いで多額の損失を計上したことが話題となりました。

その要因として、多くのファンドが同じような指標で判断して投資を行っていたため、売却銘柄が類似し、結果的に多くのファンドでパフォーマンスが著しく毀損してしまったとのことです。