ベンチマーク

英語: Benchmark
分類: 運用管理

ベンチマーク(Benchmark)は、基本的な意味として、他のものと比較する際の基準や指標をいいます。

元々は、土地を測量する際に地表の高低差を表す水準点(計測指標)を指す用語でしたが、今日では、地理や環境、建築、コンピュータ、経営、マーケティング、資産運用といった様々な分野で、比較や評価を行うために不可欠な基準を表す概念として広く使われています。

ここでは、多様な意味で使われる「ベンチマーク」について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

資産運用におけるベンチマーク

ベンチマークは、資産運用(投資)においては、運用成果(運用成績)を測定し、評価するための基準(目標基準、対抗指標)となるものをいいます。これは、投資商品の収益率や特定の銘柄の騰落率などを比較・評価するための指標で、通常、株価指数や債券指数などの「インデックス」が使われます。

投資信託とベンチマーク

投資信託(ファンド)においては、日本株で運用する場合、日経平均株価やTOPIXなどが使われることが多く、また外国株式や外国債券などで運用する場合、その運用対象に合った世界的なインデックスが使われることが多いです。

また、ファンドの運用にあたって、ベンチマークとの連動を目指す運用を「パッシブ運用」と言うのに対して、ベンチマークを上回ることを目指す運用を「アクティブ運用」と言います。

投資対象別のベンチマーク

投資対象別のベンチマークとして、主要なもの(一例)として、以下が挙げられます。

・国内株式:TOPIX日経平均株価JPX日経400
・国際株式:MSCI KOKUSAI
・国内債券:NOMURA-BPI
・国際債券:FTSE世界国債インデックス
・国際商品:ブルームバーグ商品指数

経営におけるベンチマーク

ベンチマークは、経営においては、「ベンチマーキング(Benchmarking)」とも呼ばれ、何らかの組織が改善活動を行う場合に、業界や業種を超えて、世界で最も優れた方法あるいはプロセスを実行している組織から、その実践方法(プラクティス)を学び、自らの組織に適した形で導入して大きな改善に結びつけるための一連の活動をいいます。

<ベンチマークの意義>

・企業等では、効果的に行えば、競争上の優位性を迅速に確立することができる。
・比較分析により、プロセスを冷静に見て問題点を把握し、改善を図ることができる。
・これまでに業界内ではなかった、全く思いもよらなかった手法を知ることで、既成概念を打ち破ることができる。

IT業界におけるベンチマーク

ベンチマークは、IT業界においては、コンピュータ等のハードウェアやソフトウェアの処理性能を定量的に測定するための指標、もしくはシステム性能評価の技法(ベンチマークテスト)をいいます。

●ベンチマークテスト

実際の利用条件と同等の条件を設定し、コンピュータ等のハードウェアやソフトウェアの処理性能(処理速度や動作状況など)を定量的に評価するための基準となるテスト。

●ベンチマークスコア

ベンチマークテストで、一つあるいは複数のプログラムを実行した結果(実際の数値)。

●ベンチマークプログラム

ベンチマークスコアを測定するための特別なプログラム。様々な種類があり、著名なものとして、HPC(high-performance computing)性能を測る「LINPACK」や、データベース処理の性能を測定する「TPC」、DirectXにより3DCGの性能を測る「3DMark」などがある。

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