アクティブ運用

読み方: あくてぃぶうんよう
英語: Active management
分類: 運用手法

アクティブ運用は、投資信託や年金基金などのファンドにおいて、ベンチマークを上回る運用成績を上げることを目標とした運用スタイルをいいます。これは、運用のプロが独自の調査・分析に基づき、市場平均を上回るリターンを目指すもので、また運用手法としては、アセットアロケーションの変更と銘柄の選択・入替によって行われます。

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アクティブ運用の視点

アクティブ運用は、投資家心理や相場観相違、情報収集能力など、特定の投資対象の市場価格形成に非効率性が生じる「市場の非効率性」により、株式や債券などの証券の本源的価値に対して、割安もしくは割高な価格が形成されることがある点に着目したものです。

アクティブ運用のベンチマーク

現在、アクティブ運用において、運用成績で上回ることを目指すベンチマークとしては、国内株式を投資対象とする場合は、日経平均TOPIXJPX日経400などが、海外株式を投資対象とする場合は、MSCI指数の各種インデックスなどが、また公社債を投資対象とする場合は、NOMURA-BPIなどが用いられることが多いです。

アクティブ運用の運用スタイル

アクティブ運用には、大きく分けて、「トップダウンアプローチ」と「ボトムアップアプローチ」の二つがあります。

|トップダウンアプローチ

トップダウンアプローチは、経済や金利、為替などマクロな投資環境の予測・分析に基づいて、資産配分やセクター配分、業種配分などを予め決定し、その配分に基づいて投資する個別証券を決定する運用スタイルです。

|ボトムアップアプローチ

ボトムアップアプローチは、ファンドマネージャーアナリストの徹底した調査・分析に基づいて投資価値を判断し、その積み上げによる相対的な比較に基づいてポートフォリオを構築していく運用スタイルです。

アクティブ運用とパッシブ運用の違い

積極的にベンチマーク以上の収益を目指す運用スタイルの「アクティブ運用」に対して、ベンチマークにできるだけ連動するような運用スタイルを「パッシブ運用」と言い、両者の違いとして以下が挙げられます。

◎アクティブ運用は、市場の非効率性や個別証券の特性などによって市場収益を上回る投資収益が期待できる半面、銘柄選択や市場環境などで運用に失敗した場合、パッシブ運用より投資収益が悪くなる傾向がある。

◎アクティブ運用は、ファンドマネージャーが株式や債券などの組入比率や銘柄を決定するので、運用成績はファンドマネージャーの能力に大きく依存するのに対して、パッシブ運用は、ベンチマーク(インデックス)に連動すればいいので、特定の人の能力に依存することはない。

◎アクティブ運用は、保有銘柄の売買頻度が高く、また市場動向や個別証券についての詳細な調査や分析が必要となるため、運用手数料はパッシブ運用に比べて高く設定される傾向がある。