レバレッジ効果

読み方: ればれっじこうか
英語: Leverage effect
分類: 運用理論

レバレッジ効果(Leverage effect)は、少ない資金で大きなリターン(収益)が期待できる効果をいいます。これは、物理の「レバレッジ(=てこ)の原理」になぞらえたもので、金融取引や不動産投資、企業財務などで主に用いられる概念となっています。

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金融取引のレバレッジ効果

レバレッジ効果は、金融取引(資金運用)においては、信用取引や先物・オプション取引、外国為替証拠金取引、CFD取引などで、一定の証拠金(保証金)に対して、数倍~数十倍の取引が行えるというものです。

レバレッジ効果の概要

信用取引のレバレッジ効果

例えば、株式の信用取引を活用すれば、自己資金の約3倍まで建玉を持つことができます。

この場合、買い建て(売り建て)で3倍のレバレッジを効かせれば、リスクもリターンも3倍となりますが、特にリスクについては、レバレッジが3倍の建玉状態の時に、3割強の下落で証拠金がゼロになるので注意が必要です(それ以前に追い証が発生する)。

レバレッジ効果のリスクとリターン

レバレッジ効果を活用する金融取引は、対象となる商品の価格変動によって大きな損益が発生することになり、利益も損失も大きい「ハイリスク・ハイリターン型」となっています。

これまでに投資で巨額の資産を短期間で築いた人の多くは、レバレッジ効果の大きなリターンを得て成功したのですが、その一方で、レバレッジ効果の大きなリスクによって、財産を全て失った人も決して少なくありません(特に損切りやレバレッジ調整は、リスク管理において非常に重要)。

不動産投資のレバレッジ効果

レバレッジ効果は、不動産投資においては、投資用不動産の購入に際して、「自己資本」と「借入金」を組み合わせて資金調達することにより、全額を自己資本で調達する場合よりも、自己資本に対する投資利回り(自己資本利益率)が向上する効果をいいます。

具体的には、資金調達(借入)の仕方によって、同じ投資案件であるにもかかわらず、借入金比率が高いほど(レバレッジを利かすほど)、自己資本利益率が高くなります。

企業財務のレバレッジ効果

レバレッジ効果は、企業財務においては、自己資本と共に、借入や社債などの有利子負債を活用することにより、自己資本利益率(ROE)が上昇する効果をいいます。

また、M&Aに際しては、買収資金の大部分を借入で調達する場合、少ない自己資金で巨額の買収が可能となり、自己資金の運用利回りを向上させる効果があります。

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