ティン・パラシュート(錫の落下傘)
英語: | Tin parachute |
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分類: | 企業防衛 |
ティン・パラシュートは、「錫の落下傘」とも呼ばれ、M&Aにおいて、買収ターゲットとなる企業の従業員が買収により解雇された場合には、通常より多額の退職金や一時金、再就職の斡旋、保険契約の保障といった規定を雇用契約または労働協約で定めることをいいます。
敵対的買収に対抗する防衛策の一つで、敵対的買収者により、従業員が解雇される事態を想定し、万一、敵対的買収が行われた場合には、巨額の退職金等が支払われる仕組みを設け、多額の現金の流出を招くことによって買収コストを引き上げ、買収者を牽制する対抗措置となっています(万一の場合は、買収者との交渉材料としても活用)。
一般に役員退職金については、株主総会の承認が必要ですが、従業員退職金については、取締役会の決議だけで済むことから、本手法はゴールデン・パラシュートよりも機動的に対応できるといったメリットがあります。
ちなみに、ティン・パラシュートという名称は、買収によって乗っ取られた企業から脱出する手段として、お金をパラシュート(錫の落下傘)に見立てた表現に由来します。