ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)
読み方: | にゅーよーくまーかんたいるとりひきじょ |
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英語: | New York Mercantile Exchange(NYMEX) |
分類: | 取引所(米国) |
ニューヨーク・マーカンタイル取引所(New York Mercantile Exchange)は、正式には「NYMEX(ナイメックス)」と呼ばれ、アメリカ合衆国のニューヨークにある、CMEグループの世界有数の商品先物取引所をいいます。
目次:コンテンツ構成
NYMEXの概要
ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)は、CME、CBOT、COMEXと共に、CMEグループの中核となるマーケットの一つです。
現在、原油や天然ガス、ガソリン、パラジウムなどが上場されている先物市場を運営し、その中でも、原油先物の「WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)」は特に有名で、世界の指標原油の一つとなっています。
取引方法については、かつては、伝統的なオープン・アウト・クライの立ち会い取引が中心でしたが、今日では、電子取引システムである「CME Globex」が導入され、取引が電子化されています(立ち合いは、2015年7月に廃止)。
NYMEXの沿革
ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)は、19世紀の中頃に組織された「街中の市場」が起源だとされています。設立以来、1世紀以上、米国有数の商品取引所として躍進してきましたが、20世紀の終わりから21世紀の初頭にかけて、組織が大きく変遷しました。
NYMEXの誕生
1872年にニューヨークのマンハッタンの酪農商人達が集まって「ニューヨーク・バター・チーズ取引所」が組成され、しばらくして卵ビジネスが存在感を増したことから「ニューヨーク・バター・チーズ・卵取引所」に名称変更されました。
その後、1882年にドライフルーツや缶詰、鶏肉などの取引が開始されたことから、現名称の「ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)」へ変更されました。
NYMEXの変遷
20世紀も終わりに近づいた1994年、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)は、ニューヨーク商品取引所(COMEX:Commodity Exchange)と合併し、COMEXはNYMEXの一部門となりました。
21世紀に入り、2006年に親会社のNYMEX Holdingsはニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場しました。そして、世界的な取引所再編の流れの中で、2008年にNYMEX Holdingsが、シカゴに本拠のある世界屈指のデリバティブ取引所運営会社であるCMEグループに買収され、以降、CMEグループの傘下となりました。
※NYMEX Holdingsは上場廃止、CME GroupはNasdaqに上場。
NYMEXの取扱商品と取引・清算
NYMEXは、CMEグループが運営する主要取引所の一つで、現在、以下のような商品を取り扱っています。また、日々の取引は、電子取引プラットフォームの「CME Globex(グローベックス)」で行われ、また日々の清算は、「CME ClearPort(クリアポート)」を通して行われています。
Energy(エネルギー)
Crude Oil(原油)、Natural Gas(天然ガス)、Coal(石炭)、Refined Products(石油精製製品)、Petrochemicals(石油化学製品)、Freight(航空燃料)、Biofuels(バイオ燃料)、Electricity(電力)、Emissions(排出量)
Metals(金属)
パラジウム、鉄鉱石、鉄スクラップ
Agriculture(農業)
ココア、コーヒー、綿