NASDAQ(ナスダック)
読み方: | なすだっく |
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分類: | 取引所(米国) |
NASDAQ(ナスダック)は、アメリカ合衆国の取引所運営会社とナスダック市場のことをいいます。
具体的には、ニューヨーク州ニューヨーク市に本拠を置く、世界有数の取引所運営会社である「Nasdaq, Inc.」と、同社が運営する米国の取引所(株式市場)である「Nasdaq Stock Market」の二つを指します。
目次:コンテンツ構成
NASDAQの沿革
NASDAQは、元々は、"National Association of Securities Dealers Automated Quotations"の略で、「店頭銘柄気配自動通報システム」を意味しました。
1971年に全米証券業協会(NASD)の主催により開設された世界初の電子株式市場(取引所がないコンピューターシステムの証券取引市場)でしたが、2005年に市場運営会社(Nasdaq)として自らの株式を公開し、2006年に取引所としての登録を行い、NASDからは完全に分離されました。
2008年にNasdaqは、世界的な取引所再編の流れの中、北欧の取引所運営会社であるOMXと持株会社(The NASDAQ OMX Group Inc.)を通じて経営統合したことで、NASDAQ OMX Groupが取引所(各種市場)の運営主体となりました。
その後、2015年に世界的に認知されたブランド(NASDAQ)を反映するため、NASDAQ OMX Groupから「Nasdaq, Inc.(ナスダック)」に社名変更されました。
※2007年7月にNASDは、NYSEの会員検査部門と統合され、金融業監督機構「FINRA:Financial Industry Regulatory Authority」に改組された。
NASDAQの運営市場
現在、Nasdaq, Inc.は、世界有数の総合取引所となっており、米国や北欧などで、Nasdaqブランドで取引所(マーケット)を運営しており、株式の他に、債券、先物・オプション、ETF/ETP、FX、コモディティなども取り扱っています。
なお、取引所運営会社のNasdaq, Inc.は、米国のナスダック市場(Nasdaq Stock Market)に上場しています。
・Nasdaq Stock Market(米国)
・Nasdaq Nordic(北欧諸国)
・Nasdaq Baltic(バルト三国)
NASDAQの上場銘柄
現在、NASDAQ(Nasdaq Stock Market)は、ニューヨーク証券取引所(NYSE)と並ぶ、米国の代表的な株式市場ですが、その沿革は、株式仲介人の売買からスタートしたニューヨーク証券取引所とは異なり、世界初の立会場を有しない電子的な店頭市場として設立され、2006年に証券取引所に転換しました。
このような沿革の違いにより、世界一厳しい上場基準を有するニューヨーク証券取引所とは異なり、新興企業や中堅企業でも上場することができるため、NASDAQの上場銘柄は、歴史ある大手優良企業やグローバル企業を擁するニューヨーク証券取引所の上場銘柄とは異なっています。
具体的には、NASDAQの代表的な銘柄として、アップル、マイクロソフト、アマゾン、テスラ、アルファベット、メタ、エヌビディア、シスコシステムズ、クアルコム、インテル、ネットフリックス、アムジェン、ペプシコ、コストコ、スターバックスなどが挙げられ、現在、新興企業から世界的な巨大企業まで、3,500社超の企業が上場しています。
特に銘柄の違いについては、NASDAQには、IT関連などのハイテク株が多く、また短期間で急成長した銘柄も多く含まれていることが、金融や石油、自動車、化学、食品などの従来型の銘柄が多い、ニューヨーク証券取引所とは大きく異なっています。
NASDAQの市場階層
現在、NASDAQ(Nasdaq Stock Market)の市場階層(Market tiers)には、時価総額や流動性などに基づいて、大型株の「NASDAQ-GS」、中型株の「NASDAQ-GM」、小型株の「NASDAQ-CM」といった区分があり、この3つの階層(tier)に上場企業を分類しています。また、この3つの階層に対して、それぞれ株価指数も算出しています。
・Nasdaq Global Select Market (NASDAQ-GS):大型株
・Nasdaq Global Market (NASDAQ-GM):中型株
・Nasdaq Capital Market (NASDAQ-CM):小型株
NASDAQの取引時間
現在、NASDAQ(Nasdaq Stock Market)の通常の取引時間(Normal trading session)は、米国東部標準時(EST)で、9時半から16時までとなっており、日本標準時で言えば、夜から早朝となっています。
4:00~20:00(日本時間で18:00-10:00、夏時間17:00-9:00)
・Premarket session:4:00-9:30
・Normal trading session:9:30-16:00
・Post-market session:16:00-20:00
※米国の米国東部標準時(EST)
NASDAQの代表的指数
NASDAQ(Nasdaq Stock Market)の代表的指数として、以下のものが、日本でも知られています。
ナスダック総合指数
ナスダック総合指数(NASDAQ Composite Index)は、NASDAQに上場する、米国および米国外の全上場銘柄で構成される時価総額加重平均指数。ダウ平均やS&P500と共に、米国の代表的な株価指数の一つとなっている。
ナスダック100指数
ナスダック100指数(NASDAQ-100)は、NASDAQに上場する、非金融業(金融セクター以外)の時価総額と流動性が高い上位100銘柄で構成される時価総額加重平均指数。投資信託やETFでは、銘柄数が100と、ファンド組成の容易さから、ベンチマークにが採用されることが多い。