債務担保証券(CDO)

読み方: さいむたんぽしょうけん
英語: Collateralized Debt Obligation(CDO)
分類: 証券化商品

CDOは、"Collateralized Debt Obligation"の略で、日本語では「債務担保証券」のことをいいます。これは、ABS(資産担保証券)の一種で、貸付債権(ローン)や債券(公社債)などから構成される金銭債権を担保として発行される証券化商品を指します。

目次:コンテンツ構成

債務担保証券(CDO)の商品内容

債務担保証券(CDO)は、ローンや公社債などの債務(資産)を束ねて、これを裏付け(担保資産)として発行される証券をいいます。

CDOの仕組み

CDOは、複数のローンまたは公社債などの資産を保有するオリジネーター(原資産所有者)が、それらをSPV(特別目的事業体)に譲渡し、この資産を裏付けとして発行した「社債」の売出や「信託受益権」の譲渡などを行うことで、投資家から資金調達を行う仕組みとなっています。

CDOの種類

CDOにおいて、担保資産がローンのみで構成される場合は「CLO(Collateralized Loan Obligation)」、債券または債券類似商品で構成される場合は「CBO(Collateralized Bond Obligation)」と呼ばれ、CDOは、「CLO」あるいは「CBO」のいずれか、またはその双方を包含する商品となっています。

CDOの組入対象

CDOでは、ローンや社債、ソブリン債、ABS(資産担保証券)、REIT(不動産投資信託)、クレジット・デリバティブなどが組入対象となっているため、多様な証券化商品を作ることが可能になっています。

債務担保証券(CDO)の拡大とリスク認識

1980年代に米国で初めて債務担保証券(CDO)が発行され、その後、欧州や日本などでも発行されて市場が拡大し、2000年代には金融機関や機関投資家などの運用対象として世界的に人気となりました。

しかしながら、2007-2009年に米国で起ったサブプライムローン問題により、担保となっていたローンが数多く破綻したため、高格付けとして運用されていたCDOも毀損し、世界中の多くの投資家が巨額の損失を計上する結果となりました。

これを契機に、CDOの担保となっていた資産の不透明さや流動性の低さなどのリスクが改めて認識されることになりました。

債務担保証券(CDO)の格付けとクラス

債務担保証券(CDO)は、担保となる資産の組み合わせにより、低リスク低リターンのグループ(クラス)から高リスク高リターンのグループまで自由に商品を組成することができ、通常、格付会社の格付けによって、以下の3つのクラスに区分されます。

・最高格付け:シニア債(安全性は高いが、利回りは低い)
・中間格付け:メザニン債(シニア債とジュニア債の中間ぐらい)
・最低格付け:ジュニア債(安全性は低いが、利回りは高い)

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