バンクローン
英語: | Bank Loan |
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分類: | 融資 |
バンクローン(Bank Loan)は、欧米において、広義には、銀行等の金融機関が企業向けに行う融資(銀行貸付債権)のことをいいます。また、狭義には、主に投資適格未満の信用力が低い企業に対して行われるローンを指し、別名で「レバレッジドローン」とも呼ばれ、バンクローン市場で取引されています。
ここでは、昨今、注目される資産クラスの一つである「バンクローン」について、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
バンクローンの特色
バンクローンは、信用力の低い企業に融資を行う場合、万一の貸倒リスクを最小限にするために担保を設定するので、融資先が債務不履行などに陥った場合の債務弁済順位が社債や株式などに比べて上位に位置します。また、金利変動リスクを抑えるため、通常、変動金利での融資を行います。
一般にバンクローンの融資条件としては、基準となる短期金利に一定水準以上の上乗せ金利を求めており、その際に基準となる短期金利は1カ月~3カ月の金利がよく使われます(バンクローンの金利は、「基準金利」と企業毎に異なる「上乗せ金利」で構成)。
・有担保で、デフォルト時の弁済順位が高い
・変動金利で、市場金利の動向に応じて金利が見直される(途中で市場金利が上昇しても投資対象としての魅力があまり落ちない)
・財務制限条項(コベナンツ)が付与されている
・融資はシンジケート形式で行なわれることが多い
バンクローン市場の概要
バンクローン市場では、M&AやLBO、資本再構成、設備投資など、様々な企業活動に対して融資されたローン債権が、組成した銀行(オリジネーター)から投資家に転売され、債券と同様、流通市場で取引(売買)されています。
現在、バンクローン市場は、主に欧米で発達しており、その中で米国のバンクローン市場の動向については、S&P/LSTA米国レバレッジド・ローン100指数(S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100 Index )で知ることができます。
バンクローンへの投資(バンクローン・ファンド)
バンクローン市場は、金融機関や運用会社、機関投資家などが取引(売買)を行う市場であるため、個人は直接参加できません。
一方で、その投資対象としての魅力から多数の「バンクローン・ファンド(投資信託)」が組成されており、現在、日本においては、欧米のバンクローンに投資するファンドが販売され、個人でも購入することができます。
<バンクローン・ファンドの主なポイント>
●相対的に高い利回りである
主に非投資適格の企業が借り手となるバンクローンへの投資のため、相対的に高い利回りが期待できる(利回りは、投資適格債より高く、ハイイールド債より低い)。
●投資対象のバンクローンは変動金利である
通常の固定利付の債券とは異なり、市場金利が上昇した場合でも、変動金利で利息収益が増加するため、価格の下落は限定的となる傾向がある。
●担保付資産への投資である
通常の債券と比較して、弁済順位が高く、万一の債務不履行でも回収率が高くなる。