レバレッジドローン

レバレッジドローン（Leveraged loan）は、欧米において、主に投資適格未満（BB格相当以下）の相対的に信用力が低い企業に対して行われる融資（ローン）をいいます。

別名で「バンクローン」とも呼ばれ、通常、融資先が債務不履行などに陥った場合の債務弁済順位が社債や株式などに比べて上位に位置しており、また基本的に担保が設定されているものが多いです。

目次：コンテンツ構成

• レバレッジドローンの意味
• レバレッジドローンの特色
• レバレッジドローン市場の概要

レバレッジドローンの意味

「レバレッジドローン（Leveraged loan）」という用語は、元来、欧米の金融業界では、企業の合併・買収やPEスポンサーによるLBOの資金調達として、有担保に基づく、変動金利で、非投資適格級の企業により発行される「デット（負債）」を意味するそうです。

※PEスポンサー：プライベート・エクイティ・スポンサー

レバレッジドローンの特色

レバレッジドローンは、万一の貸倒リスクを最小限にするため、基本的に担保を設定するので、融資先が債務不履行などに陥った場合の債務弁済順位が社債や株式などに比べて上位に位置します。また、金利変動リスクを抑えるため、通常、変動金利での融資を行います。

一般に伝統的なレバレッジドローンは、格付けがハイイールド債に近いですが、一方で担保があるので債務弁済順位が高いです。さらに、財務状況が一定基準より悪化した場合に、債務の返済や財務の強化などを求めることができる財務制限条項が付いている点などから、ハイイールド債よりもリスクが低くなっています。

・有担保で、デフォルト時の弁済順位が高い
・変動金利で、市場金利の動向に応じて金利が見直される（途中で金利が上昇しても投資対象としての魅力があまり落ちない）
・コベナンツ（財務制限条項）が付与されている
・融資はシンジケート形式で行なわれることが多い

レバレッジドローン市場の概要

レバレッジドローン市場では、M&AやLBO、資本再構成、設備投資など、様々な企業活動に対して融資されたローン債権が、組成した銀行（オリジネーター）から投資家に転売され、債券と同様、流通市場で取引（売買）されています。

現在、レバレッジドローン市場は、金融機関や運用会社、機関投資家などが参加し、主に欧米で発達しており、その中で米国のレバレッジドローン市場の動向については、S&P/LSTA米国レバレッジド・ローン100指数（S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100 Index ）で知ることができます。

なお、個人投資家については、レバレッジドローン市場に直接参加することはできませんが、その代わりに、投信会社が設定した「レバレッジドローンファンド」を購入することができます。