小切手

読み方: こぎって
英語: Cheque、Check
分類: 手形・小切手

小切手は、一定の金額を支払うことを銀行等の金融機関に委託する有価証券をいいます。これは、振出人が記載された金額を支払うことを約束した証書で、受取人は小切手を呈示することにより、現金の支払いが受けられます。

また、小切手を使用する際には、手形と同様、金融機関と当座勘定取引契約を締結し、金融機関に当座預金の口座を開設して、統一小切手用紙を交付してもらう必要があります(所定の審査があり)。

ここでは、小切手の概要について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

小切手の特色

小切手は、法人(企業等)や個人事業主が主に商取引で利用する、振出人が当座勘定取引契約のある銀行等の金融機関に宛てて、自己の資金から一定の金額の支払いを委託する形式の有価証券(支払委託証券)をいいます。

◎小切手は、相手方と現金を直接授受するリスクや手数などを避けるために使用され、本来、現金に代わる安全な支払手段であり、この点は信用手段である手形とは異なる。

◎手形が原則として、支払期日にならないと現金化することができないのに対して、小切手はすぐに現金化することができる。

小切手の仕組み

小切手は、支払委託の有価証券であり、小切手用紙に必要事項を記載の上、署名(記名捺印)して相手方(受取人)に渡し、受取人はこれを支払金融機関に呈示することによって資金の決済を受けます(小切手の呈示に基づいて、振出人が当座預金の口座から支払うことで決済は完了)。

また、小切手の呈示については、支払金融機関の店頭に直接赴く場合と、手形交換所を経由して交換呈示される場合とがありますが、通常は後者がほとんどです。

◎小切手の支払いのための呈示は、振出日から10日目までに行わなければならないとされている(振出日を含めて11日間。最終日が金融機関の休業日にあたる場合には翌営業日まで延長)。

◎小切手の受取人は、振出人の承諾を得ることなしに、その小切手を他の人に渡して代金の支払いなどに使うことができる。

小切手のイメージ

小切手の必要的記載事項

その記載がないと小切手としての効力を生じない事項を「必要的記載事項」と言い、小切手法では、以下のように明確に定めています。

・小切手であることを示す文字
・一定金額の単純な支払委託文句
・支払人(金融機関の名称)
・支払地(支払人の住所)
振出日
振出地
振出人署名

小切手の不渡り

小切手の不渡りとは、手形と同様、支払呈示がなされたものが、支払金融機関によって支払いを拒絶されることをいいます。

小切手の所持人が現金化できないことであり、その事由については、0号不渡事由(0号不渡り)、第1号不渡事由(1号不渡り)、第2号不渡事由(2号不渡り)の3つがあります。

0号不渡事由
形式不備や期日未到来、呈示期間経過後など、振出人(または引受人)の信用に関係のない不渡り。

1号不渡事由
「資金不足」または「取引なし」が原因の不渡り。

2号不渡事由
契約不履行や偽造、詐取、盗難、紛失などに起因する不渡り。

なお、小切手と手形において、第1号不渡事由と第2号不渡事由に該当する不渡りを6カ月間に2回出すと、その振出人は銀行取引停止処分の対象になります。

一般線引小切手と特定線引小切手

小切手は、通常、支払いの安全性を高めるため、表面に線引きがされています。

一般線引小切手

一般線引小切手は、小切手の表面に2本の平行線を引いたもので、支払金融機関が取り立てを依頼された金融機関か、支払金融機関と取引のある者にしか支払えない仕組みになっている。

特定線引小切手

特定線引小切手は、小切手の表面に引いた2本の平行線の中に特定の金融機関名を記入したもので、支払金融機関が指定された金融機関にしか支払えない仕組みになっている。

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