信用取引銘柄別残高

信用取引銘柄別残高は、「個別信用残高」とも呼ばれ、信用取引の全銘柄における銘柄毎の信用残高（売り残と買い残の株数）をいいます。これは、東京証券取引所と名古屋証券取引所において、毎週火曜日（祝日などの場合は翌日）の引け後に前週末現在の残高が公表されます。

一般に制度信用取引では、６カ月後の期日までに反対売買などによって決済しなければならず、買い残が増えれば、その分潜在的な売り需要が膨らみ、逆に売り残が増えれば、先行きの買い需要拡大が期待されるという構図になっています。これより、本残高を見ることで、個別銘柄の需給関係を知ることができます。

◎買い残と売り残の水準を比較して、買い残が売り残を大きく上回ると「信用需給が悪化」、その逆であれば「信用需給が改善」と受け止められる。

◎相場の初動時に売り残と買い残が共に急増した場合は、取組拡大や強弱間対立などと捉えられることが多い。

なお、信用取引銘柄別残高を活用する際には、株価や出来高推移と照らし合わせながら時系列で追うことがポイントで、またできるだけ売り方と買い方の双方の心理を読むように注視するとよいでしょう。