信用評価損益率

読み方: しんようひょうかそんえきりつ
分類: 信用取引

信用評価損益率は、単に「評価損益率」とも呼ばれ、信用取引の投資家の平均的な含み損益(評価損益)の度合い(割合)をいいます。

現在、日本の株式市場において、信用評価損益率と言った場合、東証と名証の「二市場信用買い残の評価損益率」を指しますが、これ以外にも、証券会社が「自社の顧客の信用評価損益率」を独自に公表しているところもあります。

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信用評価損益率の特色

信用評価損益率は、株式市場全体の信用取引の損益状況を示す指標で、信用建玉金額に対する評価損益の割合を示す数値(%)ですが、通常、売建玉には、証券会社の自己売買部門や個人投資家等のつなぎ売りなどが含まれることが多いため、売建玉よりも買建玉の評価損益率の方が、投資家の評価損益の度合いを計る指標として適当と考えられています。

一般に信用取引(信用買い)では、決済期限のある短期の取引手法のため、評価益が出ると買い建てした投資家は利益確定のための反対売買を急ぐ一方で、評価損の出ている投資家は利益が出るまで待とうとする傾向があります。そのため、通常は、評価損益率がマイナスになっていることが多く、またプラスに近づくと相場も天井圏に近づいたと判断されることが多いです。

信用評価損益率の算出

信用買い(買建玉)の信用評価損益率は、信用取引残高の買残高に対する評価損益の割合を指し、具体的には、以下のような計算式で算出されます。

【買残高金額-{(貸借融資金額+自己融資金額)/(貸借融資株数+自己融資株数)×社内対当株数+貸借融資金額+自己融資金額}】/買残高金額

※社内対当とは、同一証券会社内において、同一銘柄の信用取引についての売り買いが対当する部分。

信用評価損益率の視点(ポイント)

信用評価損益率は、中長期的なトレンドの転換点を探る上で、比較的信頼性の高い指標と言われています。

・通常は、マイナス(0%から-20%)で推移
上げ相場で評価損益率が-3%を割り込んでくると、天井圏の水準(多くの人が儲かっている状態で、相場全体が頂点に達しつつある)
下げ相場で評価損益率が-10%を超えてくると、追証がかかる水準で下落が加速(追証を回避する返済売りにより、急落局面につながることがある)
・下げ相場で-15%から-20%程度まで悪化するとそろそろ大底打ち

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