公定歩合
読み方: | こうていぶあい |
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英語: | Official discount rate |
分類: | 金利 |
公定歩合は、中央銀行が民間金融機関(市中銀行)に対して貸出を行う際に適用する基準金利をいいます。
日本においては、長い間、日本銀行が市中銀行に貸出を行う場合に適用する基準金利を意味していましたが、今日では、法律に規定された用語ではなく、日本銀行法で規定されている「基準となるべき割引率(基準割引率)」および「基準となるべき貸付利率(基準貸付利率)」を総称したものとなっています。
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公定歩合:規制金利時代(政策金利)
1990年代前半までの規制金利時代には、預金金利や借入金利などの各種金利が公定歩合に連動していました。そのため、日本銀行が決定する公定歩合は、金融政策の基本的なスタンスを示す代表的な政策金利として、市場において、コスト効果やアナウンスメント効果、流動性効果をもたらしていました。
公定歩合:2001年-2006年(役割変更)
21世紀に入って金利自由化の完了後は、各種金利は金融市場における裁定行動によって決まるようになりました。
一方で、公定歩合は、2001年に導入された「補完貸付制度(ロンバート型貸出制度)」の適用金利として、日本銀行の金融市場調節における操作目標である無担保コール翌日物金利の上限を画する役割を担うようになりました。
※ロンバート型貸出制度:予め明確に定めた条件のもと、金融機関からの借入申込みを受けて受動的に実行する貸付制度。
公定歩合:2006年-現在(名称変更)
2006年8月11日に日本銀行は、時代の変化(公定歩合が政策金利としての意味合いが薄れたこと)を踏まえ、「公定歩合」に関する統計の名称変更を行い、今後は「公定歩合」に替えて「基準割引率および基準貸付利率」と呼ぶようにしました。
なお、日本銀行のウェブサイトには、1973年からの公定歩合の推移の表が掲載されています。