遺族年金について

世間で年金問題が議論される時、ともすれば、「老齢年金」の問題に注目が集まる傾向にありますが、忘れてはならないのが「遺族年金」です。人生において、いつ何時、事故や病気などによって、不幸にも一家の大黒柱が亡くなるというリスクは、どこのご家庭にでもありえます。そうなった時、残された遺族の生活に大きな影響を与えることになるでしょう。

一般に遺族年金とは、疾病や負傷によって不幸にして亡くなった場合に、亡くなった方の年金受給権を遺族が引き継ぐもので、その遺族などの生活保障として年金が各制度から支給されます。これは、あくまでも遺族の生活保障という意味合いの年金ですので、遺族には一定の要件があります。また、遺族が自分の老齢年金や障害年金を受給することになった場合には、支給停止となることや、併給されても制限を受けることがあります(1人1年金の原則)。なお、併給の場合には、自分自身の選択によって、より有利なものを選べるようになっています。

ここでは、遺族年金の基本として、「遺族基礎年金」や「遺族厚生年金」などの概要について簡単にまとめてみました。

遺族基礎年金とは何か?

遺族基礎年金は、国民年金から支給される公的年金で、国民年金の被保険者または老齢基礎年金の資格期間を満たした者が死亡した場合に、18歳未満の子を持つ妻や、両親のいない18歳未満の子などに支給されます。

・一定の要件を満たした被保険者や老齢基礎年金の受給権者が死亡した場合に、その者の「子のある妻」または「子」に支給される
・年金額は、780,100円+子の加算額。(平成28年度)

寡婦年金とは何か?

寡婦年金は、国民年金から支給される公的年金で、自営業者など国民年金の第1号被保険者が国民年金に長期間加入した後に老齢基礎年金を受けることなく死亡した場合に、その妻に支給されます。

・第1号被保険者の夫が老齢基礎年金を受けることなく死亡した場合、「子のない妻」(65歳未満)に支給される
・65歳からは妻自身の老齢基礎年金が支給されるので、寡婦年金は支給されない
・年金額は、死亡した夫が受け取るはずの老齢基礎年金額の4分の3に相当する額

死亡一時金とは何か?

死亡一時金は、国民年金から支給される一時金で、自営業者など国民年金の第1号被保険者が国民年金に3年以上加入した後に老齢基礎年金を受けることなく死亡した場合に、一定範囲の遺族に支給されます。

・第1号被保険者であった者が年金を受け取ることなく死亡した場合、遺族に支給される
・遺族の範囲は、生計を同じくしていた、配偶者 - 子 - 父母 - 孫 - 祖父母 - 兄弟姉妹の中で、先順位のものに支給される
・寡婦年金を受けることができる時は、選択により一方が支給される
・死亡一時金の額は、保険料の納付期間により、12万円から32万円

遺族厚生年金とは何か?

遺族厚生年金は、厚生年金保険から支給される公的年金で、会社員や公務員などの厚生年金保険の加入者が死亡した場合に、遺族基礎年金に上乗せして遺族に支給されます。

・厚生年金保険の被保険者または被保険者だった者が死亡した時に、その遺族に支給される
・遺族の範囲は、死亡した者によって、生計を維持されていた、配偶者・子 - 父母 - 孫 - 祖父母で、先順位のものに支給される
・年金額は、死亡した者の老齢厚生年金の額の4分の3相当額