雇用保険の給付の種類は?

雇用保険とは、労働保険の一つで、雇用保険法に定められた雇用保険事業(失業給付の他、雇用安定事業と能力開発事業業)を行うために国(政府)が運営する保険制度です。ここでは、雇用保険の具体的な給付の種類について見てみましょう。

基本手当

基本手当は、雇用保険の被保険者の方が、定年や倒産、自己都合などにより離職し、失業中の生活を心配しないで、新しい仕事を探し、一日も早く再就職できるようにするために支給されるものです。

|基本手当の受給要件

ハローワークに来て、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること。

●離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること。ただし、特定受給資格者または特定理由離職者については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可。

|基本手当を受給するために

基本手当を受給するためには、まず住所を管轄しているハローワーク(公共職業安定所)に「離職票」を提出して求職の申し込みをします。その上で、「受給資格の決定」を受ける必要があります。

|基本手当の支給額

雇用保険で受給できる一日当たりの金額を「基本手当日額」と言い、これは年齢区分ごとに、その上限額が以下のように定められています。(平成28年7月1日現在)

・30歳未満・・・・・・・6,395円
・30歳以上45歳未満・・・7,105円
・45歳以上60歳未満・・・7,810円
・60歳以上65歳未満・・・6,714円

|基本手当の受給期間

雇用保険の受給期間は、原則として、離職した日の翌日から1年間(所定給付日数330日の方は1年と30日、360日の方は1年と60日)ですが、その間に病気やケガ、妊娠・出産・育児等の理由により引き続き30日以上働くことができなくなった場合は、その働くことのできなくなった日数だけ、受給期間を延長することができます。ただし、延長できる期間は最長で3年間となっています。

技能習得手当

技能習得手当は、受給資格者が積極的に公共職業訓練などを受ける条件を整え、その再就職を促進するために、受給資格者が公共職業安定所長または地方運輸局長の指示により公共職業訓練等を受講する場合に基本手当とは別に受けられるものです。これには、「受講手当」と「通所手当」の二種類があります。

傷病手当

傷病手当は、受給資格者が離職後、ハローワークに来所し、求職の申込みをした後に15日以上引き続いて疾病または負傷のために職業に就くことができない場合に、その疾病または負傷により、基本給付の支給を受けることができない日の生活の安定を図るために支給されるものです。(14日以内の疾病または負傷の場合には基本手当が支給、 傷病手当の日額は基本手当の日額と同額)

高年齢求職者給付金

高年齢求職者給付金は、高年齢継続被保険者が失業した場合、一般被保険者の場合と異なり、被保険者であった期間に応じて、基本手当日額の30日分または50日分に相当する給付が支給されるものです。

就業促進手当

雇用保険の失業等給付の就職促進給付のうち、就業促進手当としては、再就職手当、就業促進定着手当、就業手当などがあります。

|再就職手当

基本手当の受給資格がある方が安定した職業に就いた場合に、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給されます。

|就業促進定着手当

再就職手当の支給を受けた方が、引き続き再就職先に6カ月以上雇用され、かつ再就職先で6カ月の間に支払われた賃金の1日分の額が雇用保険の給付を受ける離職前の賃金の1日分の額(賃金日額)に比べて低下している場合、本手当の給付を受けることができます。

|就業手当

基本手当の受給資格がある方が再就職手当の支給対象とならない常用雇用等以外の形態で就業した場合に、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上あり、一定の要件に該当する場合に支給されます。

移転費

移転費は、受給資格者等がハローワークの紹介した職業に就くため、または公共職業安定所長の指示した公共職業訓練などを受講するため、その住所または居所を変更する必要がある場合に、受給資格者本人とその家族の移転に要する費用として支給されるものです。

広域求職活動費

広域求職活動費は、受給資格者がハローワークの紹介により、広範囲の地域にわたる求職活動をする場合に支払われるもので、交通費および宿泊料が支給されます。

教育訓練給付金

教育訓練給付金は、労働者(働く方)の主体的な能力開発の取組みを支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とする雇用保険の給付制度です。現在、支給額は、教育訓練施設に支払った教育訓練経費の20%に相当する額となりますが、その額が10万円を超える場合は10万円とし、4千円を超えない場合は支給されません。

高年齢雇用継続給付

高年齢雇用継続給付は、60歳到達時等の時点に比べて、賃金が75%未満に低下した状態で働き続ける60歳以上65歳未満の一定の一般被保険者に支給される給付であり、高年齢者の就業意欲を維持・喚起し、65歳までの雇用の継続を援助・促進することを目的とした制度です。これは、「高年齢雇用継続基本給付金」と「基本手当」を支給し、また60歳以後に再就職した場合に支払われる「高年齢再就職給付金」とに分かれます。

育児休業給付

育児休業給付は、労働者に対して、育児休業を取得しやすくし、その後の職場復帰を援助・促進することにより、 職業生活の継続を支援する制度です。

●支給額

原則として、育児休業開始前の賃金月額の50%となる。

※育児休業給付金の50%については、通常の40%の給付率を当分の間引き上げた率。また、平成26年4月1日以降に開始された育児休業については、支給日数が180日間に達するまで67%となる。

●支給期間

産後休業(8週間)明けの日から最長子どもの1歳の誕生日の前々日(パパ・ママ育休プラス制度対象者は1歳2カ月に達する日の前日)まで(男性の場合は出産日以降が対象となる)。 ただし、1歳到達(パパ・ママ育休プラス制度対象者は1歳2カ月到達まで)の時点で、所定の理由に該当する場合は、最大1歳6カ月の前日まで延長することができる。

介護休業給付

介護休業給付は、労働者に対して、介護休業を取得しやすくし、その後の円滑な職場復帰を援助・促進することにより、職業生活の継続を支援する制度です。

●支給額

介護休業給付の各支給対象期間(1カ月)ごとの支給額は、原則として、休業開始時賃金日額×支給日数×40%。

●支給対象期間

1つの休業期間が3カ月を超える場合は、3カ月が限度。また、複数回休業取得する場合は、通算93日に達するまで。