長期金融市場

読み方: ちょうききんゆうしじょう
英語: Long-term Financial Market
分類: マーケット

長期金融市場は、「資本市場」や「キャピタルマーケット」とも呼ばれ、1年以上の長期資金のやりとりをする市場の総称をいいます。

大きく分けて、株式や債券が取引される「証券市場」と、金融機関等による長期貸出が中心である「長期貸付市場」の二つがあり、通常、長期金融市場と言った場合は「証券市場」を意味することが多いです。

ここでは、長期金融市場の概要について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

長期金融市場の位置づけと特徴

長期金融市場は、お金の貸し借りをする市場である「金融市場」の一つで、金利面では長期金利が形成される、1年以上の長期にわたる金融取引が行われる市場を指します。これに対して、1年以内の短期の金融取引が行われる市場を「短期金融市場」と言います。

一般に長期金融市場の代表的な市場である証券市場は、経済社会において、資金が必要な企業等が株式や債券を発行し、投資家に購入してもらうことによって、資金を調達する場として重要な役割を果たしています。また、証券市場は、取扱対象で「株式市場」と「債券市場」に区分されるほか、機能面で「発行市場」と「流通市場」に区分されます。

長期金融市場の概要

株式市場について

株式市場(Stock Market)は、株式が取引される市場の総称をいい、新株の発行を通じて資金が調達される「発行市場」と、既発行株の売買が行われる「流通市場」から構成されます。また、株式の流通市場は、証券取引所PTSなどの具体的な市場が存在します。

債券市場について

債券市場(Bond market)は、「公社債市場」とも呼ばれ、債券が取引される市場の総称をいい、新しい債券の発行を通じて資金が調達される「発行市場(起債市場)」と、既存の債券の売買が行われる「流通市場」から構成されます。また、債券の流通市場では、多様な年限の国債が中心をなしており、各年限の債券の基準となる「イールドカーブ(金利曲線)」が形成されています。

長期金融市場のチェックポイント

資産運用において、国債や普通社債、債券ファンド、長期の定期預金などで運用する際には、長期金融市場の動向を時々チェックする必要があります。というのは、これらの金融商品の利回りは、長期金融市場で形成される「長期金利」に影響されるからです。

一般に長期金融市場の一つである債券市場を見る場合、「短期的な動向」と「中長期的な動向」の2つに注意することが必要です。短期的な動向については、その時々の市場参加者の金利観や金融当局のスタンス、債券の需給バランス、国内外の金利などがポイントになります。また、中長期的な動向については、ファンダメンタルズや将来の金利観などがポイントになります。

長期金融市場の基本事項

長期金融市場の中の「債券市場(公社債市場)」の基本事項として、以下が挙げられます。

・主要指標
-国内:新発10年物国債利回り、スワップレート
-海外:米国債10年、独国債10年・・・
・現物市場
-日本国債を中心とした円債、米国債・・・
・デリバティブ市場
-国債先物、国債先物オプション、金利スワップ
・主な市場
-国内市場、海外市場

長期金融市場の変動要因

長期金融市場の中の「債券市場(公社債市場)」の変動要因として、以下が挙げられます。

・その時々のマーケットテーマ
・市場参加者の投資マインド
・債券の需給バランス
・国の債券発行額
・各国経済のファンダメンタルズ
・スワップマーケットの動向
・将来の金利見通し
・ヘッジファンドの動き
・国際情勢
・テクニカル要因(債券先物など) 他

長期金融市場の参加者

長期金融市場の中の「債券市場(公社債市場)」では、以下のような参加者が多様な取引を行っています。

・銀行・証券等の金融機関(債券ディーラー)
・ブローカー(債券トレーダー)
・機関投資家(年金、信託、生損保、系統 他)
・運用会社(投信、ヘッジファンド 他)
・中央銀行(日本銀行)
・個人投資家 他

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