当座貸越

当座貸越は、取引先(顧客)に対して、予め約定した一定の限度額および期間の範囲内であれば、いつでも資金を融通する貸付方法をいいます。これは、当座貸越契約を締結して行われるもので、一定の限度額まではいつでも資金を利用できるので、顧客にとっては非常に便利な仕組みとなっています。

一般に当座貸越と言った場合は、企業等の法人向けの当座貸越を指すことが多いですが、それ以外に個人向けの総合口座にセットされた「総合口座当座貸越」もあります。さらに、日本銀行が金融機関等向けに行う「日中当座貸越」というものもあります。

法人向けの当座貸越

当座貸越は、証書貸付、手形貸付、手形割引と共に、金融機関が提供する、法人向けの基本的な融資形態の一つです。これは、融資の極度額を設定し、その範囲内で借入返済を自由に行えるもので、「一般当座貸越」と「専用当座貸越」の二つがあります。また、金融機関では、当座貸越を行うにあたって、取引先の信用力を判断する与信審査を行い、極度額によっては担保保証を取得します。

●一般当座貸越とは?

一般当座貸越は、取引先(顧客)が当座預金の残高を越えて振り出した小切手や手形の決済不足資金を、金融機関が一定の貸越極度額まで立替払いを行う融資形態です。これは、当座勘定貸越約定書に基づくもので、当座預金と連動しており、その残高が不足した場合に自動的に貸越となり、顧客にとっては、当座預金の一時的な資金不足に対応できるメリットがあります。

●専用当座貸越とは?

専用当座貸越は、顧客に対して融資の極度額を設定し、その範囲内での反復した借入や返済を可能にした融資形態です。これは、当座貸越契約証書に基づくもので、通常、当座預金口座や普通預金口座とは別に、貸出専用口座(当座貸越枠勘定)を設け、そこから払出伝票(専用当座貸越請求書)または専用キャッシュカードにより、顧客は短期資金の融資を受けることができます。

総合口座の当座貸越

総合口座の当座貸越は、「総合口座当座貸越」や「総合口座貸越」とも呼ばれ、総合口座にセットされた自動融資機能をいいます。これは、普通預金の出金時に残高が不足している場合に、総合口座内の定期預金公社債などを担保として、不足金額を自動的に借入れできる仕組みとなっています。

通常、当座貸越の利用限度額は、担保の金額の80%~90%、または金融機関が定める最高限度額(200万円など)のいずれか少ない金額の範囲内で、低金利(市場金利に基づいて決定される所定の変動金利)でお金をいつでも用だてることができます。

日本銀行の日中当座貸越

日中当座貸越は、日本銀行が金融機関等に対して、予め金融機関等が差し入れた担保の範囲内で行う、当日中の返済を条件とした無利息の当座貸越をいいます。これは、一時的な資金負担を軽減するために、2001年の日本銀行当座預金決済および国債決済のRTGS化に合わせて、当座預金取引先である金融機関等に対して提供が開始されたものです。