フロート制
読み方: | ふろーとせい |
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英語: | Floating Exchange Rate System |
分類: | 通貨制度 |
フロート制は、「変動相場制」とも呼ばれ、固定相場制のように通貨を一定比率に固定せず、為替レートの決定を外国為替市場(マーケット)の需要と供給により自由に変動させる制度をいいます。
具体的には、マーケットで外国通貨を対価とする自国通貨の売りが増えれば、自国通貨の対外価値が下落(減価)し、逆に外国通貨の売りが増えれば、自国通貨の対外価値が上昇(増価)するといった仕組みになっています。
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フロート制の歴史
フロート制は、世界経済において、歴史がまだ浅く、1970年代から採用されるようになりました。
1971年8月のドルと金の交換停止を表明したニクソンショックによりブレトンウッズ体制が崩壊し、その後の1971年12月のスミソニアン体制も長続きせず、1972年6月に英国がこれを放棄してフロート制に移行すると、1973年3月までに主要国(先進各国)はフロート制に移行することになりました。
・ブレトンウッズ体制:金本位制に基づく固定相場制
・スミソニアン体制:ドルの切り下げと為替変動幅の拡大をした固定相場制
そして、1976年1月にジャマイカのキングストンで国際通貨基金(IMF)の暫定委員会が開かれ、フロート制が正式承認されました(キングストン合意)。
フロート制のメリットとデメリット
フロート制の通貨は、外国為替市場で日々交換レートが決定されていますが、その一方で、相場急変時などに中央銀行が市場介入による為替レート操作を行う場合もあるため、「完全に自由な変動相場」と言えない側面もあります。
フロート制のメリット
・経済実勢を反映した相場が実現する。
・金融政策の裁量性が高い。
・通貨下落に伴う外需の拡大が容易である。
フロート制のデメリット
・貿易環境や資本移動が安定的ではない。
・為替相場が急激に変動することがある。
・投機マネーの動向で乱高下することがある。