新株予約権付社債の仕組みと種類は?

新株予約権付社債とは、新株予約権を付した社債をいいます。これは、2002年の商法改正により、通称である「転換社債」と「ワラント債(非分離型)」とが同一の債券種別となり、法律上の名称が共に本名称に統一されたものです(現在は、会社法の第2条22号に定義)。

ここでは、新株予約権付社債について、簡単にまとめてみました。

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新株予約権付社債の仕組み

新株予約権付社債は、株式を一定の条件で取得できる権利である「新株予約権」が付与された社債をいいます。

新株予約権とは、株式を一定の条件で取得できる権利のことで、新株予約権の行使があると、社債部分の金額がそのために払い込まれたとみなされます。また、新株予約権の行使によって発行される株式数や、新株予約権を行使できる期間などは、予め決められています。

新株予約権付社債の種類

新株予約権付社債は、新株予約権の付いた社債のことで、通称の「転換社債」と「ワラント債 (非分離型)」から構成されます。一方で、ワラント債(分離型)は、株式会社が社債と新株予約権を同時に発行するものとして捉えられ、新株予約権付社債の対象には含まれません。

現在、転換社債とワラント債 (非分離型)のどちらも「新株予約権付社債」ですが、両者を区別するために、転換社債は「転換社債型新株予約権付社債」、ワラント債 (非分離型)は「新株予約権付社債」と呼ぶこともあります。

転換社債型新株予約権付社債(転換社債)

転換社債型新株予約権付社債は、通称で「転換社債(CB)」とも呼ばれ、発行時に決められた条件で、いつでも、株式に転換することのできる社債をいいます。

◎発行時に決められた条件で株式に転換することができる一方で、半年あるいは1年毎に債券として利子を受け取ることもでき、また転換しないで満期まで持てば、額面で償還される。

◎株価が転換価格を上回ってくれば、株価に連動して値上がりし、逆に株価が値下がりした場合でも、債券としての価値が下値を支えるため、株式ほど値下がりするリスクが少ない。

|転換社債の特色

転換社債型新株予約権付社債は、「債券としての性格」と「株式としての性格」の二つを併せ持っているのが大きな特色となっています。

・債券としての性格
-クーポン:株式に転換できるため、社債より利率は低い
-償還期限:転換しなければ、社債として償還
-利回り:直接利回り、最終利回り
-下方硬直性:株価が下がれば、利回りが下支え
・株式としての性格
-パリティ:株式としての価値を示す理論価格
-パリティー乖離率:株式に比べて割高か割安かを判断
-株価連動性:株価が上がれば、CB価格も上昇

|転換社債のリターンとリスク

転換社債型新株予約権付社債は、通常の債券のリターンに加えて、株式への転換・売却といったリターンもあります。

・リターン
-インカムゲイン(クーポン収入)
-キャピタルゲイン(償還差益、売却益)
-その他(株式への転換・売却)
・リスク
-価格変動リスク
-信用リスク 他

新株予約権付社債(ワラント債・非分離型)

新株予約権付社債は、狭義では、「転換社債型新株予約権付社債」に対する呼称で、ワラント債 (非分離型)のことをいいます。また、ワラントとは、その所有者が一定期間内(権利行使請求期間)に請求すれば、発行会社の新株を一定価格(行使価額)で、一定数量買付けることができる権利をいいます。

一般にワラント債は、発行後、社債部分とワラント部分が分離され、それぞれが個別に売買される「ワラント債(分離型)」と、分離されない「ワラント債 (非分離型)」の二つがあり、日本の会社法では、「ワラント債 (非分離型)」のみを「新株予約権付社債」としています。

・ワラント債(分離型):新株予約権+社債
・ワラント債(非分離型):新株予約権付社債