投資信託の運用スタイルと運用手法は?
投資信託は、その名が示すように、「投資の専門家(プロ)に運用を託す」ものです。
普段、私たちがすることは、ファンドを購入し、運用状況を見守る(管理する)ことだけです。ただし、この場合でも、ファンドの運用の仕組みをよく理解しておくことが必要です。というのは、ファンドの特色や運用成果が、運用の仕組みと密接に関係しているからです。
ここでは、投資信託の運用スタイルと運用手法について、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
投資信託の運用スタイルについて
投資信託(ファンド)の運用スタイルには、大きく分けて、「アクティブ運用」と「パッシブ運用」の2つがあります。
|アクティブ運用とは?
アクティブ運用は、ベンチマークや市場平均を上回るリターン(運用成績)を上げることを目標とした運用スタイルです。これには、ポートフォリオを構築する際に採られるアプローチとして「トップダウンアプローチ」と「ボトムアップアプローチ」があり、実際の運用にあたっては、この2つが併用されることも多いです。
◎パッシブ運用と比べて、投資信託に組入れる銘柄の入換えが多い。
◎ファンドマネージャーが株式・債券等の組入比率や銘柄を決定するので、リターンはファンドマネージャー(運用チーム)の能力に大きく依存する。
|トップダウンアプローチ|
経済や市場動向などマクロ的な投資環境の予測から始まり、資産配分や業種別配分などを決め、その後に個々の銘柄を選定していく方法。
|ボトムアップアプローチ|
ファンドマネージャーやアナリストの徹底した個別企業に対する調査・分析に基づき投資価値を判断し、その積み上げによって、相対的な比較に基づいてポートフォリオを構築していく方法。
|パッシブ運用とは?
パッシブ運用は、アクティブコストを支払っても超過リターンは得られないという考え方に基づき、市場平均と同程度の運用成績を目標とした運用スタイルです。
◎アクティブ運用と比べて、売買回転率が低く、取引に関わるコストが少なくてすみ、また個別証券等の詳細な調査や分析などを行わないため、手数料や運用報酬が全般的に低く抑えられる。
◎日本株ファンドの場合、日経平均やTOPIXなどの指数(インデックス)が運用の一つの目安となる。
投資信託の運用手法について
株式ファンドの運用手法には、例えば、以下のようなものがあります。
|グロース運用とは?
グロース運用は、「グロース投資(成長株投資)」とも呼ばれ、将来の企業の成長性や収益性に主眼を置き、業績の伸びが期待できる企業(銘柄)を探し、成長にともなって株価が上昇することを狙って投資する運用手法です。
|バリュー運用とは?
バリュー運用は、「バリュー投資(割安株投資)」とも呼ばれ、企業の価値を分析して、利益や資産などの基準に対して、割安なものに投資する運用手法です(現在は割安であるが、今後、価値が増大すると思われる銘柄に投資する手法)。
|TAAとは?
TAAは、「Tactical Asset Allocation(戦術的資産配分)」の略で、その時々の経済情勢や市場動向などに応じて、株式や債券などの投資比率を変更する運用手法です。