リバースモーゲージ
リバースモーゲージは、持ち家(自宅)を担保にして、高齢者等に融資する仕組みをいいます。
「逆抵当融資方式」と呼ばれるローンで、高齢者や障害者などが自宅を担保にして、生活資金や医療費用、介護費用などの融資を受け、債務者が死亡した時に遺族が自宅の売却代金で一括返済することが一般的となっています(相続人が現金で返済できれば、自宅を売却する必要はない)。
元々は、1960年代に米国で導入された制度で、日本では1981年に武蔵野市が全国に先駆けて導入し、昨今では、金融機関や貸金業者、自治体、社会福祉協議会などが取り扱っています。
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リバースモーゲージのお勧め者
リバースモーゲージは、自己所有の土地付き住宅など「担保価値のある不動産」を保有している方が利用可能で、例えば、以下のような場合(ケース)に検討してみるのもよいでしょう。
・自宅はあるが子どもがいない
・自宅を相続させたい親族がいない
・自宅を残したまま、手持ちの資金を確保したい
・年金に加えて、余剰となる生活資金が欲しい
・有料老人ホーム等への入居を考えているが、自宅は手放したくない
リバースモーゲージの仕組み
リバースモーゲージは、取扱機関によって、融資方式や返済方式などが結構異なっているので、利用の際には十分にご注意ください。
|融資方式
・初めにまとまった資金を受取る方式
・毎月または毎年など定期的に一定額ずつを受取る方式
・利用限度枠内で自由に引出すことのできる方式
・上記を組み合わせた方式
|返済方式
・死亡後に一括返済する方式
・毎月一定額を返済する方式
・毎月利息だけを支払う方式
リバースモーゲージのリスク
リバースモーゲージは、生存中は自宅を失うことなく融資を受けられますが、一方で以下のようなリスクもあるのでご注意ください。
・金利上昇リスク
・不動産評価額低下リスク
・長生きリスク
・相続人リスク
<高齢夫婦の二人世帯での注意点>
夫が契約者(主債務者)として融資を受ける時、妻を連帯債務者とした場合、夫の死後も妻がそのまま住み続けられる方式がある一方で、夫の死後は妻の継続居住を認めず、一定期間内に家を明渡して売却・返済が求められる方式もあり、主債務者が死亡した時の取扱いについて細心の注意が必要。
リバースモーゲージの基本事項
リバースモーゲージは、所有している不動産(持ち家)の担保評価に基づき設定された貸付限度額の範囲内で融資を受けることができます。
昨今、高齢化社会が進展する中で、自分らの死後に家は不要という世帯が、長期にわたる老後生活のための資金を調達する際の一つの選択肢となっています。
取扱機関 | 金融機関、貸金業者、自治体、社会福祉協議会 他 |
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対象者 | 高齢者、障害者など |
資金使途 | 生活費、医療費、介護費、高齢者施設費など |
融資金額 | 担保価値によって異なる(限度額あり) |
借入期間 | 債務者の死亡まで |
金利 | 変動金利が主流 |
返済方法 | 取扱機関によって異なる |
担保 | 担保価値のある持ち家 |
備考 | 夫婦世帯の場合、配偶者への契約の引継ぎに注意 |