雇用保険の仕組みと役割は?
普段の生活の中で、「雇用保険」と言った場合、「失業保険」をイメージする方が大勢いらっしゃるのではないでしょうか? それは、失業保険という言葉が未だによく使われるためだと思われます。
現在、日本において、雇用保険は、単に失業を補償する失業保険制度のみならず、失業の予防や雇用機会の拡大、労働者の能力開発など、雇用・失業対策の柱として総合的な雇用保険制度へと発展しています。
ここでは、雇用保険の仕組みと役割について、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
雇用保険とは何か?
雇用保険とは、労働保険の一つで、雇用保険法に定められた雇用保険事業(失業給付の他、雇用安定事業と能力開発事業業)を行うために国(政府)が運営する、雇用に関する総合的機能を有する制度です(労働者を雇用する事業所は、原則として強制的に適用される)。
◎労働者が失業して、その所得の源泉を喪失した場合、労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合、及び労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に、生活及び雇用の安定と就職の促進のために失業等給付を支給する。
◎失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図るための二事業(雇用安定事業と能力開発事業)を実施する。
雇用保険の被保険者と保険料負担は?
雇用保険の適用事業所に雇用される労働者は、原則として全て被保険者となります。但し、65歳に達した日以後に雇用される者、週所定労働時間が20時間未満の者、公務員の方(一部例外あり)、自営業者などは対象外となります。
◎雇用保険の保険料は、事業主と労働者の双方で負担する(失業等給付の財源は労使で折半し、雇用保険2事業の財源は事業主が負担する)。
◎徴収した保険料や手当の支払いといった資金の管理は、国の特別会計で行われている。
雇用保険の給付種類は?
現在、雇用保険には、求職者給付や就職促進給付、教育訓練給付、雇用継続給付があり、目的に応じて、様々な手当や給付が用意されています。
|求職者給付
・一般被保険者
-基本手当、技能習得手当、寄宿手当、傷病手当
・高年齢継続被保険者
-高年齢求職者給付金
・短期雇用特例被保険者
-特例一時金
・日雇労働被保険者
-日雇労働求職者給付金
|就職促進給付
就職促進手当、移転費、広域求職活動費
|教育訓練給付
教育訓練給付金
|雇用継続給付
高年齢雇用継続給付、育児休業給付、介護休業給付