社会保険、会社を辞めた時は?

会社に勤めている時は、自分が加入する社会保険(雇用保険、健康保険、厚生年金保険など)について、つい無関心でいることが多いです。

毎月、給与から天引きされ、会社が個人の社会保険料を預かって、会社負担分と合わせて納付する仕組みになっているので、どうしても関心が薄くなってしまいます。

実際のところ、会社を辞めよう・辞めなければならなくなった時に、初めて自分が納めてきた社会保険料によって生じる権利について実感するのではないでしょうか? また、辞めた後の社会保険については、自分で手続きをして、社会保険料を納付しなければなりません。

ここでは、会社を辞めた時の社会保険の手続きについて、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

雇用保険関係の手続きについて

自分から会社を辞めたり、会社の都合で解雇(リストラ)されたりして「失業」した時には、雇用保険関係の手続きをする必要があります。

◎退職(失業)した場合、会社から「離職票」が渡されますので、退職後に住所を管轄している公共職業安定所(ハローワーク)に行き、求職の申し込みを行います。

◎離職理由で問題がない場合、ハローワークから基本手当の「受給資格者証」が交付されます。また、交付後は、指定された失業認定日(4週間ごと)にハローワークに行き、「失業認定申告書」を受給資格者証に添えて提出することで、失業の認定を受けます。

◎失業認定日には、前回の失業認定日から前日まで(原則28日間)の失業の認定をまとめて受けることになります。

◎失業が認定されれば、指定の銀行口座に、数日のうちに基本手当が振り込まれることになります(自己都合退職などの場合は、2カ月間の給付制限あり)。

※雇用保険法の改正により、2020年10月1日以降に離職された方は、正当な理由がない自己都合により退職した場合であっても、5年間のうち2回までは、給付制限期間が2カ月となる。

健康保険関係の手続きについて

自分から会社を辞めたり、会社の都合で解雇(リストラ)されたりした時には、健康保険関係の手続きをする必要があります。

◎会社に勤務している間は、健康保険(組合管掌健康保険、全国健康保険協会管掌健康保険)に加入しており、健康保険証を各個人が所持しています。これに対して、退職すると退職日の翌日に資格を喪失するので、これまでの健康保険証を返却しなければなりません。

◎今の会社を辞めて別の会社に転職する場合には、引き続き、転職先の会社で社会保険の加入手続きを行い、新しい健康保険証の交付を受けます。

◎自営業などを行う場合や当面失業が続きそうな場合には、住所のある市町村(役所)の担当窓口で国民健康保険への加入手続きを行うことが必要です。

◎会社を退職しても、ある一定条件を満たしている方は、任意継続被保険者として、従前の健康保険に継続して加入することができます。

・要件1:継続して2カ月以上の被保険者期間
・要件2:資格喪失日から20日以内に申請
・保険料:全額自己負担
・被保険者期間:任意継続被保険者となった日から2年間

年金関係の手続きについて

会社員の方は、通常、厚生年金保険に加入しており、年金制度では第2号被保険者となります。また、結婚されている男性で、妻が専業主婦の場合、妻は第3号被保険者となり、保険料は夫の厚生年金保険料に込みという形になっています。

ある日、会社員の方が、自分から会社を辞めたり、会社の都合で解雇(リストラ)されたりした時には、年金関係の手続きをする必要があります。

◎すぐに転職される場合は、転職先の会社で再度、第2号被保険者としての手続きを行います。

◎自営業などを行う場合や当面失業が続きそうな場合には、第1号被保険者(国民年金)となるので、市町村(役所)の担当窓口で手続きを行うことが必要です。また、夫が第1号被保険者になると、これまで第3号被保険者であった妻も第1号被保険者となるので、同じく手続きをする必要があります。

◎年金の種別変更手続きを忘れると、将来年金を受給する時に、受取年金額が低く算定されてしまうこともあるので、必ず手続きを行って下さい。

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