老齢年金とは何か?
老齢年金は、高齢になった時に受けとれる、公的年金制度の加入者であった方の老後の保障として給付される年金をいいます。
「障害年金」や「遺族年金」と共に、公的年金の給付要件別の年金種類の一つで、現在、「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」があり、原則として、65歳になった時に支給が始まり、生涯にわたって年金を受け取ることができます(繰上げ受給や繰下げ受給の制度あり)。
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老齢年金の抱える問題
現在、日本の公的年金(老齢年金)では、個人の各制度(国民年金、厚生年金保険)への加入期間によって受け取れる年金額は違いますが、ある年齢に達した時には、全国民が何らかの年金を受け取れる制度(国民皆年金)になっています。
一方で、日本の年金給付の財源は、現役世代および後世代の保険料の負担によって支えられる世代間扶養の考え方に基づいた制度になっており、また急激な保険料の増大を緩和するために、年金原資の積み立てが行われ、運用が行われていますが、昨今では、少子・高齢化の進行が年金財政に極めて深刻な影響を与えています。
◎世代間扶養は、今後の少子高齢化と人口減少の進展により、給付面や持続可能性などで大きな問題を抱えていると言われている。
◎基礎年金(老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金)は、国庫が半分(50%)を負担しているが、国の一般歳出で最大の割合を占める社会保障関係費の中で、医療費と共に財政悪化の要因となっている。
◎日本の公的年金は、全国民が強制加入となっているが、一方で制度の根幹に関わる国民年金の未加入者や未納者は、一昔前より改善したものの、未だに多くおり、解決できずにいる。
老齢基礎年金について
老齢基礎年金は、国民年金から支給される公的年金で、保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した受給資格期間が10年以上ある場合に、65歳から受け取ることができます。
◎20歳から60歳になるまでの40年間の国民年金や厚生年金の加入期間等に応じて年金額が計算される。
◎60歳から65歳までの間に繰上げて減額された年金を受け取る「繰上げ受給」や、66歳から75歳までの間に繰下げて増額された年金を受け取る「繰下げ受給」の制度がある。
老齢厚生年金について
老齢厚生年金は、厚生年金保険から支給される公的年金で、老齢基礎年金を受け取れる方に厚生年金の加入期間がある場合に、老齢基礎年金に上乗せして65歳から受け取ることができます。
◎厚生年金に加入していた時の報酬額や加入期間等に応じて年金額が計算される。
◎老齢厚生年金にも60歳から65歳までの間に繰上げて減額された年金を受け取る「繰上げ受給」や、66歳から75歳までの間に繰下げて増額された年金を受け取る「繰下げ受給」の制度がある。
なお、一定の要件を満たす方は、65歳になるまでの間、特別支給の老齢厚生年金を受けとることができます。