貸株サービス
貸株サービスは、顧客が保有している株式等(国内上場株式、ETF、REIT)を証券会社に貸し出すことによって、貸し出した株式等に応じた貸株料(貸株金利)を受け取ることができるサービスをいいます。
銀行にお金を預入すると利息が受け取れるように、保有する株式等を証券会社経由で貸し出し、その期間に応じた金利収入を受け取れるというもので、現在、その対象となる銘柄については、本サービスを提供する証券会社によって若干の違いがあります。
目次:コンテンツ構成
貸株サービスの仕組み
貸株サービスでは、機関投資家が参加して株式等を貸したり、借りたりする市場である「貸株市場」が利用されます。
具体的な仕組みとしては、顧客から貸し出された株式等を証券会社が取りまとめて貸株市場に参加し、証券会社は貸出先から貸株料(金利)を受け取り、また顧客は証券会社から金利を受け取ることで、間接的に貸株市場で資産運用を行うことが可能になっています。
貸株サービスの主なメリット
貸株サービスは、主に中長期保有の株式(銘柄)を有効活用する場合に便利で、具体的には以下のようなメリットがあります。
・貸し出した株式等に貸株料(貸株金利)が付く
・配当金相当額を受け取ることができる
・貸出中でも、いつでも売却・出庫ができる
・貸し出したい銘柄や株数は自分で選択できる
・株式分割等の権利が付く
・サービスの利用料(費用)はかからない
貸株サービスの基本事項
貸株サービスは、信用取引口座を開設している場合、利用できないことが多いです。その理由として、信用取引では、約款で株式等を担保とすることがあるからです。そのため、本サービスを利用する場合、信用取引を行わない中長期投資専用の現物取引口座を作っておくとよいでしょう。
※株式投資において、現物取引と信用取引を行う金融機関を分けるのは、投資方針をそれぞれ明確にする上で効果的と言える。
取扱機関 | インターネット証券など一部の証券会社 |
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サービス内容 | 保有する株式等を証券会社経由で貸し出し、その期間に応じた金利収入を受け取れるサービス |
利用方法 | サービスを提供している証券会社に口座を開設した上で、別途申込を行う |
貸株金利 | 金利水準は、証券会社によって異なり、毎月見直される |
受け取り | 日々の時価を基に計算し、1カ月に一度受け取る形が一般的 |
株主の権利 | 貸株に出すと、株主としての名義や権利は、借り手に移る。ただし、配当は、税金を差し引いた相当額を証券口座に振り込む形で受け取れる。また、株主優待や議決権についても、権利確定日だけ貸株から自動的に外す機能を用意している会社もある |
税金 | 配当金相当額や金利収入は雑所得の扱いとなり、配当控除を受けられない |
注意点 | 貸し出した株式等は、投資者保護基金の対象から外れ、万が一、証券会社が倒産した場合は返還されないリスクもある |