スマホ決済

スマホ決済とは、スマートフォンを活用したキャッシュレス決済をいいます。これには、端末にかざして決済を行う「非接触型決済」と、QRコードやバーコードを読み込んで行う「コード決済」の二つがあります。

また、非接触型決済には、決済手段として電子化したお金である「電子マネー」と、クレジットカードのタッチ決済である「EMVコンタクトレス」の二つがあります。

目次:コンテンツ構成

スマホ決済の概要

スマホ決済は、スマートフォンを活用したキャッシュレス決済で、大きく分けて、端末にかざして決済を行う「非接触型決済」と、QRコードやバーコードを読み込んで行う「コード決済」の二つがあります。いずれも、スマホにインストールされたアプリを利用して行う仕組みになっています。

スマホ決済の種類(2023年6月時点)

スマホの非接触型決済には、電子マネーでは、プリペイド型で、nanaco、waon、楽天Edy、Suica、ICOCA、PASMOがあり、ポストペイ型で、QUICPay、iDがあります。また、EMVコンタクトレスでは、Visaのタッチ決済、Mastercardコンタクトレス、JCBコンタクトレス、アメリカン・エキスプレスのタッチ決済があります。

一方で、スマホのコード決済には、PayPay、楽天ペイ、d払い、au Pay、メルペイ、LINE Pay、ゆうちょPay、J-Coin Pay、Bank Payなど様々なものがあります。

スマホ決済のメリット

スマホ決済のメリットについて、4つほど挙げてみたいと思います。

(1)誰でもスマホに利用設定をすれば、現金やカードを使わず、簡単にキャッシュレス決済ができる。

(2)アプリに利用履歴(支払履歴)が残るので、家計管理において、いつ、どこで、どれくらい利用したかが一目で確認できる。

(3)スマホの非接触型決済とコード決済では仕組みが異なるが、いずれも高いセキュリティ対策がなされている。そのため、決済情報や個人情報が洩れることはなく、セキュリティ面で安全と言える。

(4)現金やカードを手渡ししないので、衛生面(感染症対策)で安心と言える。

スマホ決済

スマホの非接触型決済

スマホの非接触型決済とは、店頭のレジの端末(専用リーダー)に、スマートフォンをかざして決済を行うもので、現在、「電子マネー」と「EMVコンタクトレス」の二つがあります。

スマホの非接触型決済の仕組み

電子マネーとEMVコンタクトレスは、いずれも、決済のやり方は同じですが、仕組みが大きく異なっています。

電子マネーは、日本独自のもので、スマホ決済の中で最初に普及しました。これは、近距離無線通信技術のNFCのTypeFに準拠したFeliCa(フェリカ)を採用しており、現在、プリペイド型の電子マネーには、nanacowaon楽天EdySuicaICOCAPASMOがあり、またポストペイ型には、QUICPayiDがあります。

一方で、EMVコンタクトレス(EMV Contactless)は、世界標準規格のクレジットカードのタッチ決済で、日本だけでなく、海外でも広く利用できるようになっています。これは、近距離無線通信技術のNFCのTypeA/Bを採用しており、現在、Visaのタッチ決済、Mastercardコンタクトレス、JCBコンタクトレス、アメリカン・エキスプレスのタッチ決済があります(Diners Clubも将来的には対応するかと)。

◎後払いが使えるポストペイ型の電子マネーは、クレジットカードと紐づけて利用できるので、実質的にクレジット払いと同じと言える。

◎NFCのFeliCaとTypeA/Bとは互換性がなく、またFeliCaは、通信速度がTypeA/Bより高速なほか、電子マネーの決済時に必要な暗号化情報を保存する領域も備えている。

スマホの非接触型決済の利用

電子マネーでも、EMVコンタクトレスでも、スマホの非接触型決済を利用するには、ハード面とソフト面の二つの対応が必要です。 ハード面のスマホでは、近距離無線通信技術のNFCのタイプにおいて、電子マネーではFeliCa、またEMVコンタクトレスではTypeA/Bに対応していることが必要で、昨今では、多くの機種が対応しています。

一方で、ソフト面では、iPhoneとAndroidとでは、アプリが異なります。

■iPhoneの場合

標準装備のウォレットを設定することで、非接触型決済サービスのApple Payを通して、電子マネーとEMVコンタクトレスが利用できる。

■Androidの場合

電子マネーについては、Googleウォレットアプリを設定することで、非接触型決済サービスのGoogle Payで利用できるほか、電子マネーの運営会社の独自アプリでも利用できる。この時、Androidでは、FeliCaをコントロールするソフトウェアである、おサイフケータイアプリが必須となっている。

EMVコンタクトレスについては、Googleウォレットアプリを設定することで、非接触型決済サービスのGoogle Payで利用できるほか、楽天カードなど一部のカードでは、独自アプリで、EMVコンタクトレスが利用できる。

スマホのコード決済

スマホのコード決済とは、QRコードやバーコードを読み込んで、利用金額を入力することで支払いが完了する決済サービスをいいます。

日本においては、2016年頃からサービスが始まり、現在、様々なものがありますが、その中でも代表的なものとして、PayPay、楽天ペイd払いau PayメルペイLINE Payなどが広く知られています。

一般にスマホのコード決済では、いずれのサービスも、個人が利用にあたっては、無料のコード決済のアプリをスマホにインストールして、利用者登録を行います。また、コード決済の利用時は、アプリを立ち上げる必要があります。

スマホのコード決済の支払方式

スマホのコード決済の支払方式には、ストアスキャン方式とユーザースキャン方式の二つがあります。

◎ストアスキャン方式とは、お店(店舗)の方で顧客(利用者)のコードを読み込んで、利用金額(支払金額)を入力して決済が完了するというもので、この場合、顧客はスマホにコードを表示するだけなので手間がかからない。

◎ユーザースキャン方式とは、顧客(利用者)の方でお店のコードを読み込んで、利用金額(支払金額)を入力して、お店に確認してもらって支払いを実行するというもので、この場合、顧客には少し手間がかかる。

スマホのコード決済の決済方法

スマホのコード決済の決済方法には、前払い、即時払い、後払いの3つがあります。

◎前払いは、事前にコード決済のアプリにお金をチャージしておき、チャージ残高から支払う決済方法。

◎即時払いは、予め連携設定をしておいた銀行の預金口座の残高から、コード決済で利用する金額がリアルタイムで引き落とされる決済方法。

◎後払いは、事前にコード決済と連携登録したクレジットカードで、後日、利用金額を支払う決済方法。

スマホのコード決済の選ぶ視点

スマホのコード決済には様々なものがある中、実際に選ぶ視点として、4つほど挙げてみたいと思います。

◎機能面で、店舗でのコード決済以外に、請求書コード決済や個人間送金などの機能があるものもある。

◎ポイント還元で、利用条件によってポイント還元を受けられることがある。

◎加盟店数(利用できる店舗数)で、日常的に使えるところが多いほど利便性は高い。特に普段よく行く店舗で利用できるかどうかはチェックした方がよい。

◎サービス内容で、コード決済の決済方法、登録できるカードの種類、チャージの上限額、一回あたりの決済上限額などもチェックした方がよい。

スマホ決済の注意点

スマホ決済を利用するにあたって、5つほど注意点を説明したいと思います。

(1)スマホ決済は、非接触型決済とコード決済では仕組みが大きく異なり、決済時のやり方が異なる。具体的には、非接触型決済は、アプリを立ち上げずに、近距離無線通信を使って端末にかざすだけなのに対して、コード決済は、アプリを立ち上げ、ネット接続を使って、コードの読み取りと利用金額の入力が必要。

(2)スマホ決済は、提供されるサービスや決済方法によって、一回あたりに支払える金額が結構異なる。そのため、利用するサービスの利用限度額を予めチェックした方がよい。

(3)スマホ決済は、利用サービスの加盟店でしか使えない。現在、電子マネー、EMVコンタクトレス、コード決済の各サービスで使える場所が、それぞれ異なっているので、利用できる場所は予めチェックした方がよい。

(4)スマホ決済の不正利用の対応策を理解しておく。どんなサービスでも不正利用の可能性はゼロではないので、万一の場合の対処法や補償制度は予めチェックしておいた方がよい。

(5)不測の事態に備えて小さな財布も用意しておく。スマホ決済は、スマホが故障したり、電池切れになったり、失くした場合は使えないので、イザという時の現金やカードは最低限持っておいた方がよい。

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